当然の疑問。
……リーリィは、当たり前のようにクリストフェルに従っていたけれど、疑問には思わないんだろうか。
彼らを滅ぼす力を持つというのに、その下に降り、好きに使われてるなんて。
隷族者だから?
アレイストたちの様子から、隷族者というものが、彼ら一族にとって奴隷同然のものなのだと理解した。
人をそういうふうに扱う腹立たしさは、今は置いとく。
アレイストにはロルフをはじめ、彼の手足となる沢山の部下がいるけれど、彼らはその隷族者なんだろうか?
この城で働いている人たちも?
どうも違うように思う。
主人であるアレイストに従い、彼に仕えているのは間違いないことなんだけど、そこには各々の意志があるのだと、わずかながらに接したときの印象から読み取れるから。彼らは彼ら自身で決めて、アレイストのもとにいるんだ。
――城のみんなと、隷族者の違いは?
クリストフェルに従う、リーリィの、自分自身の気持ちは?
頭の中で考えても、本人に聞いてみな分からんな、こればっかりは。聞ける機会があるのかは、わからんけど。
とりあえず。
私は自分の発言によって一瞬後、三人が凍りつくなどとは予想もせずその問いを投げ掛けた。
「アレイストにも、その隷族者とか、いるんですか?」
その辺ハッキリさせとこか。