愛情サンドイッチ
今度は遅れを取らないからね!
絶対守ってやるからね!
といらない気合いを入れて高らかに宣言するアスタ。
ロウからハイへ、忙しいやっちゃな。
ていうか、“今度”なんかあらへんから! もうないから!
二人でぎゃあぎゃあ騒いでいると、地の底から響くようなひくーい声が私たちの間に割り込んだ。
「……………浮気者…」
なんですと。
人に聞かれたら誤解を招くようなことをほざいたのは、当然ながら、書斎側の扉にカッコつけたポーズで寄りかかっていたアレイストだ。
腕を組んで、ベッドで笑い転げている私たちを眺めて、あからさまな不機嫌顔になる。子供が拗ねてるように唇を尖らせて。
「アストリッドとはベッドでいちゃいちゃするのに何故俺とはしてくれないんだ」
意味不明。
『アホか。あんたとそないなコトしても楽しないし』
しかもヤバゲや。
ちょー危険やん。
「いやイロイロ楽しいかもしれないよ? やってみないうちから拒否なんて人生を損するよ?」
さあ、僕の腕に飛び込んでおいで! なんて言うみたいに手を広げながらにじり寄ってくるアレイストに冷たい目を向けてやる。
もう落ち込みから復活しよってからに。
あの殊勝さはどこにいったん。一眠りしたら忘却の彼方か。
「けっこーです」
のーさんきゅうと力を籠めてお応えして差し上げたというのに、図々しくもベッドに上がり込んできて。
何故かアレイストとアストリッドに挟まれて座る形になった。
せ〜ま〜い〜。