試合前
『勝者!――――!』
試合が終わり、私が控室に入った。
「誰かいますかー?」
「おお、お嬢ちゃんじゃないか」
そう言って声をかけたのはケンさんだった。
つい先ほど試合が終わったばっかなのか、タオルで汗を拭きながらスポーツドリンクを飲んでいる。
「先ほどの試合、すごかったですね!見事です!」
「ははは、照れるだろ」
「わっ」
ケンさんはそう言いながら私の頭をわしわしと撫でる。
そういやケンさんって次の試合も出るはずだったのでは?と思いつつ、声をかける。
「そういえば次の試合も出るんですよね」
「ああ。次も余裕で勝ってやるさ」
「頑張ってくださいね」
「おうよ!」
そういってハイタッチをしながらケンさんは控室を後にした。
私はそんなケンさんを眺めつつ、控室のTVを眺めるのだった。
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