たまには2人きりで


私が図書室に入ると、ルフレさんが本を読んでいた。すでにルフレさんの横には大量の本が積んである。
私は目当ての本を探して図書室の中をうろうろする。

「あれ、ななしさん」
「ごめんなさい、気が散りましたか?」
「いえ、よろしければ隣、どうぞ」

ルフレさんはそう言って、隣の席を指さした。私は「じゃあ、おじゃまします」ととなりの席に座る。
ルフレさんは私を一瞥した後、また本を読みふける。

(さて、どうしたものか)
「ななしさん」
「なんでしょうか」
「たまには2人きりでのんびりっていうのもいいですね」

ルフレさんは本から目を離し、私を見つめながら言った。私も思わず「は、はい」と答える。
それからしばらく私とルフレさんは図書室にいたのだった。


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