夜中に考え事を


夜、お手洗いに行った帰りにある人物を発見した。ベレトさんだ。
ベレトさんは廊下でブツブツとなにか呟いているように見える。

「いや、そうではないな……」
「どうしたんですか、ベレトさん?」
「……ん、ななしか。いやなに、少し考え事をな」

ベレトさんは頭をあげ、私の方を振り向いた。考え事がなにかは分からないが、眠れなかったのだろうか。
なにかミルクとか持っていった方がいいのだろうか、と食堂の方へ向かおうとする。

「待て、ミルクは別にいい」
「そうですか……でもなんでこんな時間まで考え事を?」
「それは言えないな」

ベレトさんはそう言って私の頭を撫でた。ちょっとくすぐったい。
考えていることがなんなのかなんなのか気になったが、部屋に帰ろうとする。

「ななし」
「なんでしょう」
「おやすみなさい」
「はい、おやすみなさい」

挨拶をかわし、私は部屋に戻った。ベレトさんは空を見上げつつも、まだこの場にとどまっている。
朝、起きてベレトさんの方を見ると、目にはクマもなく、どことなくスッキリした顔つきだったとかなんとか。



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