ss | ナノ






深い理由もなくいがみ合っている、というかただ意地を張り合っているように見える、藤崎佑助と椿佐介。略してボッスンと椿。
それぞれスケット団と生徒会に属していて、正反対な二人が今日という誕生日を同時に迎えるなんて、何の因果だろう。
いや、実際は正反対に見えてそっくりなのかもしれない。その証拠に、せっかくの学園祭を一人は中抜けしたし、もう一人は欠席だ。でも、学校で二人を見たという生徒もいる。

しかし私は学校で会えなかった。なのでこうして、それぞれの家にまで訪問して祝いの言葉とプレゼントを贈ろうと思っているわけだ。なんて優しい私。


「ハッピーバースデー、誕生日おめでとう。大事なことなので二回言いました」


で、いざ言葉とプレゼントを玄関先で半強制的に送りつけてやった時の反応。



「お…おう。その…、さんきゅ」




「あ…ああ。その…、感謝する」



若干言葉は違うが二人は八割方同じような反応を返した。心なしか照れたような表情も似ていた。
もしかしたらボッスンと椿は生き別れの双子か何かじゃないのか、と疑いを持ち始めた翌日。

私の仮説が見事に的中していたことを、スケット団内にて知らされた。
それでもあまり驚かなかった、だって、あんなに似たような反応や表情を見ていたら、逆に納得できるでしょう。




ラッキーバースデー

(一人じゃなくて二人だったよ、ラッキー)

fin.
09.1111.


[] | []

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -