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(現パロ)




「政宗の馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!」

「おい……悪かったって言ってんだろhoney」

「謝って済んだら警察はいらない!」


今、一組の男女が激しい喧嘩を繰り広げている。いや、そうは言っても激しいのは一方なのだが。一応、政宗と呼ばれた少年に非があるのか、彼は罰の悪そうな表情をしながら頭を掻き、その鋭い隻眼が宙を泳いでいる。


「……じゃあ、お前は俺に何て言ってほしいんだ?」

「………」

「黙ってちゃ解らねぇぜ、なまえ」


こんな時だけ名前を呼ぶなんて卑怯だ、と彼女――なまえは思う。それと同時に自分は何と言ってほしいのだろう、と考える。ご免で済んだら警察はいらないなどとよく聞くが、だとしたら何のために。何のために言葉があるのかわからないじゃないか。言葉は、自分の気持ちを最も手っ取り早く伝えることができる手段であって、だが最も偽りやすい手段でもある。なまえは暫く無言のままで、政宗も何も言わず彼女の様子を見守っていた。
やがて、なまえがゆっくりと口を開く。




「…政宗、本当に心から、悪いと思ってる?」

「ああ、当然だ」

「じゃあ……許す」


即答する政宗の胸に、俯きながら力無く拳をぶつけて呟く。
政宗は小さく笑いながらその頭を大きな手で抱き寄せた。なまえの両手が彼の制服を掴む。白く色が変わる程に握られた細い指は、小刻みに震えていた。


「ほ…んとうに、怖かったんだから……」

「……sorry」

「喧嘩、するなら……もっと気を付けてよ……っ」


頭を優しく撫でている政宗は全て知っている。彼女が何よりも恐れたのは、政宗が喧嘩に負け怪我、または死んでしまうこと。今は服に隠され見えないが、彼の腹部の右側は包帯で覆われ、その下には浅くない刺し傷が刻まれている。



「私なんか護らないで……逃げればよかったのに……!」



二人で歩いているところを不良に絡まれ、そのような事態に陥ったのだ。その言葉を聞いた政宗は苦笑しながらなまえをあやすように言う。


「仕方ねぇだろ、いきなり得物出すとは思わなかったんだ、流石の俺も。……それに、」


そこで一旦言葉を切った政宗を不審に思い、なまえは顔を上げた。するとそこには、彼の不敵な笑みが間近に迫っていて。







「惚れた女置いて逃げるくらいなら、俺ァ死んだ方がマシだ」







頬が真赤に染まると同時に重ねられる熱い口唇。ああ、彼はクールなのにどうしてこんなにも熱いのだろう。









I'm sorry!!








謝るのはこっちの方だった、貴方がそんなにも私を想ってくれていたなんて

私もこの身が焦がれるほど、貴方を想っています

私がそう思った瞬間、貴方は"ニィ"と笑って魅せた



END.



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