『美坂家の秘め事』95

 パジャマの上から膨らみを撫でる。

 力を入れた指先で柔らかい胸が形を変えていく。

 ボタンを一つ、二つと外すと手を滑り込ませて直接肌に触れた。

 すべすべとした肌の感触を指先に感じながら下から持ち上げるように撫でた。

「ふ…っ…」

 わずかに開いた唇から吐息が漏れた。

 目を閉じて指先に意識を集中させながら緩やかなカーブを指で伝いプクッと尖った先端を捉えた。

 指の腹で円を描くように転がした。

 はっきり尖った先端が硬さを増していくと指の動きが速くなる。

「んっ…ぅ…」

 目を閉じると頭の中には長い指から繰り出される器用な愛撫が浮かぶ。

 自然と同じ動きをしながら右手はズボンの中へと潜り込んだ。

 下着の中に入れた手をさらに奥へと進ませながら左手の動きは激しさを増す。

「ん…っ」

 ぬかるんだ亀裂に指を這わせて二度、三度と動かすと自分だけに分かる小さな濡れた音が聞こえた。

 こんな事をしても望んでいる快感が得られないと分かっていても指の動きは止まらない。

 思わず出てしまいそうになる声を堪えながら右手の中指で花芯を捉える。

 押し付けた指先をブルブルと震わせると顎が上がり声が漏れた。

(あぁ…もっと)

 たっぷり蜜が溢れる泉に指先を滑り込ませた。

 何の抵抗もなく入っていく中指の第一関節までが埋まると短く息を吐いた。

(もっと奥まで…)

 誰にねだるわけでもなく自らの指を求め奥に入れようとするとドアをノックする音が聞こえた。

「しーちゃん?起きてる?」

 優弥の声がドアの向こうから聞こえた。

 一瞬体が強張ったがすぐに身だしなみを整えて返事をすると濡れた指先をパジャマの裾で拭った。

「アイス食べよ〜っ」

 両手にアイスを持った優弥がベッドに腰掛ける栞の横に座った。

 まだ高校生の優弥の前では動揺を見せられないと不自然なほどの笑顔を作った。

 無邪気な笑顔でアイスをかじりながら他愛もない話をする。

 学校であった話やバイトであった面白い話をしながら一時間ほど部屋で過ごすと「おやすみ」と部屋を出て行った。

 部屋に一人残されても再開する気になれずそのままベッドに突っ伏した。


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