『美坂家の秘め事』90
栞は頭の中がボーッとしてきた。
足の指でさえも巧みな愛撫を仕掛けてくる拓弥にもう抗えなかった。
ほんの少し前のガレージでの熱い行為が蘇る。
あの時は時間もなくて愛撫もそこそこに挿入されたにも関わらず我を忘れそうなほど気持ちよくなってしまった。
(どうしよう…もっと欲しいかも…)
栞は気付かれないように気をつけながら椅子に浅く座り直した。
腰を前に突き出した格好になり拓弥の足は攻める範囲が広がった。
グリグリと押し込んでいた動きを自由に動くようになった足で今度は全体を擦り始めた。
「…っ」
「栞はどーする?」
直弥が栞の顔を見ている。
「え、あ…何が?」
「聞いてなかったのか?親父達の迎えだよ、来週の金曜なんだけど栞は行けそうか?」
(行けそう…)
変な所で反応してしまった。
直弥がそんなつもりで言ったわけじゃないのは分かっていても今の栞には違う意味に聞こえしまう。
「栞?」
そうさせている拓弥に声を掛けられ栞は潤みかけた瞳で拓弥を見た。
「どうする?行きたい?」
(あぁっ…ん)
栞は間一髪声を我慢出来た。
足の指が激しく栞の花芯を攻め立てる。
拓弥はじっくりと栞を観察するように眺めていた。
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