『美坂家の秘め事』89

 それに触発されたのかテーブル下の拓弥の動きも一層活発になってくる。

「…んっ」

 栞の口から小さな声が漏れた。

 だが幸い直弥と優弥は何を食べるかで盛り上がっていて聞こえていない。

 もちろん拓弥はしっかりと聞き遂げて満足そうに笑っている。

(って…足長くない?)

 拓弥の指は栞の足の間に余裕で届いていた。

 親指が細かく震えて栞の弱い部分に振動を与える。

 スウェットの上からにも関わらずその振動は的確かつ強力だった。

 歯を食い縛っていないと声が漏れそうになる。

(ちょっと…ほんとにもぅ…)

 栞は箸を置いて手をテーブルの下に潜らせ拓弥の足を押し返す。

 だがどんなに押してもビクともしない。

 それどころか今度は指の腹ではなく、つま先を伸ばすとグリグリと押し込むように食い込ませてきた。

「アッ…ン」

 花芯を刺激されてたまらず声が漏れた。

「ん、んんっ…ごほんっ」

 栞が慌てて手で口元を押さえてワザとらしい咳払いをすると拓弥が小さく吹き出した。

 その間もずっと刺激を与え続けられている。

(やぁっ…もぅ…気持ちいいんだって…)

「それで来週の金曜に着くらしいけど迎えどーする?」

 一通り外食談義を終えた直弥が拓弥と栞の方を向いた。

「いいよ。俺が仕事休んで行って来る」

 拓弥が即答した。


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