夏 【9】
突き飛ばされた耕太さんはびっくりして私を見た。
やだ…どうしよう…
絶対に嫌われちゃった。
あんな風に平気なフリしてたのに急に突き飛ばしちゃうなんて…。
「あれ…?」
耕太さんの視線が私のあそこをジッと見ている。
やだ見られてる…。
「もしかして…初めて…?」
バレた!?
耕太さんが自分のモノに手を触れてその指を自分の顔の前に持っていく薄暗くなった部屋の中で離れたこの場所からでも分かる。
耕太さんの指は赤く染まっている。
「…っ!!」
恥ずかしくて顔を横に向けた。
「うっそ…マジで…」
額に手を持っていくとそのまま顔を下に向けてしまった。
バレちゃった…。
しかもすっごい困ってるっていうか迷惑そうだし…。
「ご、ごめんなさいっ!」
服を整えてずっと下を向いたままの耕太さんの横を走って通り抜けた。
家に着くまで一歩も立ち止まらずに走った。
恥ずかしい…処女じゃないフリして最後にエッチしてもらおうなんて考えた自分。
それなのにあまりの痛さに我慢出来ずに突き飛ばしてしまった自分が恥ずかしい。
夏休み最後の思い出は散々だった。
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