【8】

 せっかく最後の思い出なのに…

 我慢しなくちゃ耕太さんに嫌われちゃうかもしれない。

 耕太さん遊んでそうだしきっと処女なんて面倒だって思われちゃう。

「奈緒?」

 いつの間にか耕太さんの動きが止まっていた。

 あ…どうしよう。

 目を開けると心配そうに私の顔を見ている耕太さんと目が合った。

「何でもないよ?早く続きしよっ!」

 精一杯の強がり。

 だって子供だなんて思われたくない。

「でもすごい辛そうじゃね?」

 ズバリ言い当てられてドキッとしたけど隠すように耕太さんの首に手を回して自分からキスをした。

 その動作に弾かれたようにお互いの舌を絡めてまた耕太さんの動きが再開した。

 さっきよりも強めに中に押し入ってくる。

 痛い…もう止めたい…

 耐えられそうになくて耕太さんの体を押し返そうとした瞬間今まで一番の衝撃が来た。

「…いっ!!んーーっ」

 ズンッと奥に当たったような感触と同時に襲った激しい痛み。

 キスをしていた口を離して思いっきり手で口を押さえる。

 そうしていないと口から痛いって言葉を叫んでしまいそうだった。

 それに…耕太さんの体に思いっきりしがみついてしまったかもしれないから。

「はぁ…はっ…奈緒の中熱い、動くよ…」

「い、いやぁーっ!!」

 耕太さんが私の足を抱えて思いっきりを腰を動かした瞬間、私は反射的に耕太さんの体を突き飛ばしてしまった。

 挿れたらもう痛くないって思ってた。

 だから耕太さんが腰を引いた瞬間安心しきっていた私の体に起きた痛みにはもう耐える事が出来なかった…。

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