大好きなお兄ちゃん 【15】

「あ…」

「ごめん、最初から無理させたな」

 目が覚めたらお兄ちゃんの腕の中だった。

「お兄ちゃん…」

 まだ体の中に違和感が残ってる。

 本当にエッチしちゃったんだぁ…。

「痛かったのによく頑張ったな?」

 まるでテストで100点取った時みたいに頭を撫でて笑ってくれる。

 お兄ちゃんは私の体をもっと近くに抱き寄せた。

「お兄ちゃん、ありがとね」

 バージン貰ってくれるなんてほんとは無理だって思ってたけど良かったぁ。

「お礼言われると微妙なんですけど…」

 苦笑いをして私の頭を小突いた。

「これでいつでも彼氏作れるよ!高校生だし早く彼欲しいなぁ〜」

 お洒落していっぱいデートとかしたいなぁ。

「か、花音!?お前ほんとに俺にバージンくれただけ?」

 驚いた顔して慌てて起き上がった。

「へ?そうだけど?」

 大きく溜息を吐いて煙草に火を点けて私を睨んだ。

 あれ?

 私何か変な事言ったのかな?

「何で俺だったの?」

「お兄ちゃん格好いいし、大好きだし…それにやっぱり慣れてて上手な人がいいでしょ?」


 ぺチッ!ぺチッ!ペチッ!

「あほ花音!ほんとお前は頭悪すぎっ!」

 空いた手でおでこを何度も叩かれた。

「お兄ちゃんひどいっ!」

 せっかくラブラブ初体験が出来たのに!

 こんなんじゃ気分が台無し…

「お、お兄ちゃん?」

 急に静かになったお兄ちゃんが髪を撫でて耳元に顔を寄せた。

「今の花音じゃ彼氏が出来ても満足させられないかもな…」

 へ?

 顔を離して私を見ると意味ありげな顔で笑った。

「お兄ちゃん?私の体どっか変?」

「さぁな?俺はバージン貰っただけだし、後の事は関係ないだろ?」

 いっつも優しいのに…意地悪!

「ほら、早く自分の部屋で寝ろ?」

 手でシッシッと私を追い出す。

 ひっどぉーーい!

「嫌だっ!今日はここで寝るっ」

 布団を頭まで被ってお兄ちゃんに背中を向けた。

「はいはい」

 クスクス笑うお兄ちゃんの体温を背中に感じた。

 すぐに睡魔が襲って落ちかけた意識の中で声がする。

「今度は教えてお兄ちゃんって言うんだろ?」

 へへっ…

 だからお兄ちゃん大好き。


end
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