大好きなお兄ちゃん 【3】

「一緒にはーいろ?」

 あれ?

 反応がない…。

「お兄ちゃん?」

 さらに腕に力を入れて体を密着させた。

「お、お前!何やってんだよっ!早く出ろって!!」

 いきなり捲くし立てるように怒鳴ると私の体を思いっきり突き放した。

「きゃっ!」

 その勢いで浴室のドアに体が思いっきりぶつかった。

「あっ!だ、大丈夫か?」

 お兄ちゃんはびっくりしたのか慌てて倒れそうになった体を抱き起こした。

 ワザとじゃないけどラッキーかもぉ。

 お兄ちゃんの腕はしっかりと私の腰を抱えていて体が密着した。

「お兄ちゃん、好きっ」

 お兄ちゃんの胸に唇を寄せてキスをした。

「お、おいっ!!」

 今度は私を突き飛ばさずに自分が浴槽に飛び込んだ。

 真っ赤な顔をして壁の方を見ている。

「お前何やってんだよ、早く出ろよ!」

 怒った口調に胸が痛むけどこんなのは想定内よ。

 こんな事でめげたりしないんだから!

「花音ね、お兄ちゃんとエッチしたいの」

 色んなセリフを考えたけどやっぱりストレートなのが一番!

「はぁ!?」

 きっと想定外の言葉だったんだね。

 お兄ちゃんの言葉が裏返った。

「だ・か・らー、花音のバージンはお兄ちゃんに貰って欲しいの」

 ザッバァーン!!

「お兄…ゴホッ!ゴホッ…」

 顔面に思いっきりお湯を掛けられた。

 鼻の中まで入ったじゃん!

「ふざけてねぇで、さっさと出ろ!!」

「やだっ!!」

 お兄ちゃんと暫く睨み合いが続いた。

「分かった。俺が出る」

 ザバァッと立ち上がるとさっさと出ていてしまった。

 ガラスの向こうでお兄ちゃんのシルエットは動かずに立ったまま。

「お兄ちゃん、花音の事嫌い?」

「嫌いなわけないだろう」

 そう言うとタオルで体を拭き始めた。

「花音とエッチしたくない?」

「ばかっ!お前は俺の妹だぞ?そんな事出来るわけないだろう」

「そんな事分かってる!!」

 ガラッと戸を開けてお兄ちゃんの後ろ姿に抱き着いた。

「でもお兄ちゃんとするの!!」
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