『番外編』
雨の日は生徒会長室で7
背中に走った痛みに一瞬顔を顰めただけで、貴俊は嬉しそうに口元を緩めながら祐二のシャツも脱がせた。
「可愛い……。もっとしがみついていいよ」
最初は嫌そうな顔を見せた祐二も膝裏を押さえられて激しい抽送が始まると上体を起こすほど強く貴俊にしがみついた。
二人が繋がる場所が淫らな音を立てる度に祐二の身体は蕩けていく。
耳元でどんな愛の言葉を囁かれようと悪態を返さなくなった祐二の口はまるでうわ言のように貴俊の名前ばかり呼んだ。
「たかっ……とし、貴俊……っ、触っ、触って……」
「もう達きそうなの?」
「早くっ、触って……貴俊、貴俊……おかしくなるっ」
後ろを犯されているだけでは絶頂するまでの快感は得られないらしく、中途半端に押し上げられた身体を持て余す祐二の目尻に涙の粒が光る。
腰使いからは考えられないほど優しく唇で涙を吸い取って、貴俊は胸の突起に手を伸ばした。
「まだ達かないで、その代わり……こっち弄っててあげるから」
「や、だ……っ! それじゃ足んないっ!」
「我慢して? 後でいっぱい達かせてあげる。我慢したらもっと気持ちいいって知ってるでしょ?」
宥めるような貴俊の優しい声に祐二はこくこくと頷いた。
祐二は知っていた、自慰なら自分が出したい時に出せるが限界まで焦らされた後の射精の気持ち良さはその比ではない。
貴俊と身体を重ねるまでは永遠に知ることはなかっただろう快感に祐二の体はすっかり虜になっていた。
言いつけ通り我慢する祐二にキツク締め上げられた貴俊は短く息を吐きながら絶頂へと向かい動きを早くする。
「いいよ、すごく……っ、気持ちいい」
「あ、あん……貴俊ぃ」
「祐二、大好き。可愛い……ね、キスして?」
「んっ……んぅっ」
しがみついていた祐二は顔を傾けて最初から激しいキスをする。
息苦しくなるほど長く長く舌を絡めあい、唇を離した後でも離れがたく触れるだけのキスを何度も交わす。
「好き、好き……好き好き好き……、祐二は? ね……好き?」
「……っき」
「聞こえないよ」
「……す、きっ。好き……好き、貴俊のこと、好きだ……バカッ」
最後の余分な一言に思わず吹き出した貴俊はお返しとばかりに身体を起こすとグッと腰を押し付けた。
「あぁぁっ!!」
中を強く擦られた刺激で祐二はとろりと蜜を零した。
「そろそろ、一緒に……達こうか」
貴俊は零したばかりの蜜を指で掬い祐二の先端に塗りこめながら腰を動かした。
待ちに待った貴俊は自身に触れらただけでまた貴俊の指を汚す。
「いく、よっ」
すぐ先に見える絶頂へと向かい二人は乱れた息を一つにした。
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