『番外編』
雨の日は生徒会長室で4

 少し強くなった雨が窓を叩く音をBGMに部屋の中ではピチャピチャと濡れた音が続く。

「ん、んぁ……っ」

 ソファに身体を預けた祐二はズボンを片足だけ抜き取られ、恥ずかしい場所をすべて晒されていた。

 股間に顔を埋める貴俊の髪にしがみつく手が時々ピクッと揺れ、その度に本人は無意識だろうが腰を突き上げている。

「それ……もう、やぁっ……」

 堪えきれなくなった嬌声は甘く蕩け、いつも粗暴な仕草も今だけは可愛らしい。

 嫌だと口にしながら小さく首を横に振る祐二を上目遣いでちらりと見た貴俊は口に含んでいた丸みを帯びた先端をようやく離した。

「気持ち良くない?」

「ち……が、う」

 濡れて光る祐二を貴俊の長い指が優しく扱きニチュニチュと濡れた音を立てる。

 さっきまで口に含んで舌で弄られていた先端の窪みからはトロリと新たな蜜が流れ出し、貴俊はそれを指で掬い取ると敏感な裏筋に塗り込めるように指を這わせた。

「んんぅっ!」

「祐二、ビクビクしてる。もう達きそうなんだね」

「ん、んん……っ」

 肯定か否定かどっちとも分からない祐二の返事、だが薄っすら開いた祐二の瞳は一番正直だった。

 感じてしまうといつもは勝気な黒目は濡れ妖艶な雰囲気を纏い貴俊を誘う。

 今回もたっぷり濡れた祐二の黒目を向けられて貴俊は堪らず喉を鳴らした。

「祐二……ねぇ、俺も我慢出来ない」

 ソファの前に膝立ちになった貴俊はおもむろに自分の前を開く。

 祐二よりも一回り大きなソレが姿を見せると目を開けていた祐二の喉がゆっくりと上下した。

「こ、こんなとこじゃ……」

「ダメ?」

「だってお前、ここどこだと思って……」

「生徒会長室」

「わ、分かってんならっ!」

「でも今すぐ祐二が欲しい」

 ありえないほど真っ直ぐな言葉で求める貴俊の声は言葉の通り余裕が感じられない。

 野生的な本能で自分の危機を察した祐二は気丈にも顔を上げて貴俊を睨みつけた。

「せ、生徒会長が学校でこんなことして、い……いいのかよ!」

「ここ、生徒会長室だし。鍵はかけてあるし。問題ないじゃないかな。って……祐二、普通過ぎる突っ込みなんかしてどうしたの? あんまり焦らすと下校時刻過ぎて先生が見回りに来ちゃうよ。さすがに先生に見られたらまずいし……」

「そ、そういう問題じゃねぇだろっ!!」

「あ……そっか。大丈夫だよ、濡らすものならちゃんとあるから」

「……ハ?」

 ポカンと口を開けた祐二は身体を捻って鞄に手を伸ばす貴俊を見つめた。

 お互い下半身を出したまま、というかなり恥ずかしい状況にも関わらず、貴俊の中の欲情の火は消える気配はない。

 貴俊の手に握られた見慣れたジェルのボトルと避妊具、祐二はいつも持ち歩いているのか聞くに聞けなかった。


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