『番外編』
雨の日は生徒会長室で3

 静かな生徒会長室に聞こえるのは貴俊が触れる衣擦れの音と抑えきれなくなった祐二の甘い泣き声。

「も……や、だ……」

 今にも泣き出してしまいそうなほど声を震わせる祐二に、胸の突起を舌先で舐めていた貴俊は顔を上げた。

「何が嫌かちゃんと教えてくれる?」

 ポロシャツだけを捲くられただけ、見るからに苦しそうな股間は相変わらず貴俊の手に覆われている。

「意……地悪、すんな!」

 祐二の悪態も罵倒も聞きなれているはずなのに、貴俊はどうしようもないほどの欲情に堪らず熱い息を零した。

「祐二、言って?」

「や、だ……っ」

「祐二、このままで辛くないの?」

「うーーー」

 肯定も否定もせずただ唸り声を上げた祐二に貴俊は優しく囁いた。

「楽になりたい? ほら……頷いて?」

 祐二の口から直接的な言葉を聞く事を諦めた貴俊はこれ以上ないほど甘い声を出す。

 頑なに拒んでいた祐二も口を固く結んだままコクコクと頷いた。

 貴俊の手によってジッパーがゆっくり引き下ろされている間、祐二は見ないようにと目をギュッと閉じて身体を強張らせている。

「すごい……祐二、こんなに大きくして。よく我慢出来たね」

「……んぅ」

 身体にフィットしたボクサーパンツを押し上げ形を露にしている祐二に指を走らせるとビクンと震えた。

 貴俊は祐二の裏筋を擦り上げ、時々戯れのように下着に染みを作っている先端を突いた。

「それ……やめ、ろ……よっ」

 下着越しの愛撫、それも指でなぞるだけの愛撫がもどかしいとばかりに腰を揺らす。

 痛いほど張り詰めた自身を持て余し、貴俊の手によって達かされる気持ち良さを知っている祐二は懇願するように貴俊のポロシャツを掴んだ。

「貴俊……っ」

「可愛い、祐二」

「可愛い、言うなっ!」

「好きだよ、祐二」

「うぅっ……」

 今度は拒否の言葉は口にせず、かといって同じ言葉を返せるにはまだ理性の残っている祐二が口をへの字に曲げる。

 それについては何の問題もないのかそれともただ慣れているだけなのか、特に触れることもせず祐二の下着に手を掛けた。

「あ……っ」

 下着に押さえつけられていた祐二のソレは近付いていた貴俊の顔を叩きそうな勢いで飛び出した。

 すでに先端から零れていた雫が真っ直ぐ貴俊の唇へと飛ぶと、それをまるで極上のソースでも舐めるかのように恍惚とした顔をして拭う。

 一部始終を見ていた祐二は顔を真っ赤にしてソファの背に顔を埋めた。


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