『-one-』

温泉旅行! P12


 麻衣の中から抜き取ると陸は後ろから抱き締めた。

「今度旅行行ったらまたしようね?」

 陸の言葉に麻衣は恥ずかしそうに俯く。

 普段は憎まれ口を叩いたり年上面をするくせにエッチの最中やエッチの後はたまらなく可愛い。

「のぼせちゃうから出よっか?」

 麻衣は周りを気にしている。

 けれど陸はせっかく会えたのに…と離れがたかった。

「この後、少し話出来る?」

「お店のみんなに見つかっちゃうよ?」

 その言葉に店の旅行で来ていた事を忘れていた事に気付いた。

「じゃあ、我慢する」

「ごめんね」

「帰ったら麻衣の部屋に泊まりにいっていい?」

「うん…」

 二人はチュッチュッと何度もキスをする。

「ね…陸そろそろ…」

 こんなに長い時間誰も入って来ない事が奇跡に近かった。

 麻衣は心配そうに入り口ばかりを見ている。

「あと30秒だけ」

 陸はぎゅっと麻衣の体を抱き締める。

(この柔らかさ…離したくないなぁ)

 陸は腕の中の柔らかい麻衣の体の感触に酔いながら目の前の白い肩に唇を寄せる。

 いい雰囲気で余韻に浸っていると勢いよく扉が開いた

「えっ!?」

「嘘っ!?」

 二人は顔を見合わせて慌てて離れようとしたが時すでに遅し…。

「陸さん!?…っと…え…麻衣さん?」

(やっ、やっべぇ…)

 バレたと顔を押さえる陸の横で麻衣は気を失いそうになっていた。


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