『-one-』
悠斗と麻衣 P3:side陸
変な事しそうになったら絶対殴ってやる!
帽子を目深にかぶり少し離れた場所で様子を伺ってる。
いっつも麻衣は俺にヤキモチばかり妬かせて意地悪だ。
しかも絶対に待ち合わせ場所教えない付いて来るなって言うなんてひどすぎる!
結局…俺はストーカーみたいに朝から麻衣が出て来るのを待ってここまでつけて来てるし…バレたら怒るよなぁ。
しばらくすると走って悠斗が現れて二人で何か楽しそうに話している姿にイライラする。
「おまえ、近付きすぎ!麻衣もニコニコしすぎなんだって…っておいっ!おまえらっ!」
突然の出来事に思わず大きな声が出て周りの人が俺の事を見て思わず帽子で顔を隠した。
な、なんで手繋いでんだよ!
俺そんなの聞いてねーってデートじゃないって言ったじゃんか!
ぶつぶつと文句を言いながらお好み焼き屋に入った二人の後からこっそり店に入って俺は死角なる場所を選んで座った。
この位置からなら麻衣の顔がちゃんと見える。
くそぉ〜あんなにニコニコ笑って!
「お兄さん、自分で焼くかい?」
「あ、焼いてきてー」
店のおばちゃんが話しかけられて即答した、こんな時に自分で焼いてられっか。
自分のお好み焼きが運ばれてくる間、俺はまた二人を観察する。
二人は自分達で焼いているみたいだ。
と言っても手を動かしてるのは悠斗みたいで、それを麻衣は目を丸くして眺めていた。
突然悠斗が立ち上がり麻衣の後ろに立ったと思ったら抱きしめた!?
−ガタンッ
あんのやろぉ!!
思わず立ち上がった。
だがよく見ると悠斗と麻衣が一緒にヘラを持ってお好み焼きをひっくり返していた。
「お待たせしました〜」
目の前にお好み焼きが運ばれて仕方がなくまた席につく。
顔の赤い麻衣を見てむかつきながらお好み焼きを口に放り込む。
「あ、あっつ…!!!」
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