『-one-』

一人より二人 P16


 止めた動きを再開させて、夢中で舌を伸ばしている間に、感じすぎた麻衣の身体が何度も絶頂を迎える。

 その度に強く締め付けられたが、既に二回出して余裕のある陸は、麻衣を抱えたままソファに身体を倒した。

 ゆったりとした奥行きのあるソファは、寝る目的には作られていないが、陸が横になっても十分の横幅がある。

 腰の上に麻衣を乗せる形を取った陸は、肩で息をする麻衣を見上げて口を開いた。

「膝、立てて?」

「ひ……ざ?」

 首を傾げながらも、それ以上は質問することはなく、麻衣はソファに付けていた膝をノロノロと起こした。

 陸は急かすことなく肌に張り付いたシャツのボタンを外しながら、麻衣がしゃがみ込むような体勢を取るまで待った。

 陸一人が横になるには十分の横幅も、麻衣の足を置くにはギリギリで、少し居心地は悪そうだが、陸は続けて次の指示を出した。

「じゃあ、俺の膝に手を乗せて?」

「手……? どこ?」

 身体を捻って振り返る麻衣、あらかじめ立てておいた膝を確認すると、言われた通り片手ずつ膝に乗せた。

(んー、もうちょっとかな?)

 頭の中で思い描いていたものと少し違い、微調整のために陸は足を動かす。

 わずかに仰け反るような体勢になった麻衣の身体に陸は満足そうに頷いた。

(思ったより、エロ……ッ)

 色々させてみたい体位がある、本当なら後背座位の一種の「乱れ牡丹」がしたい、もちろん鏡の前で麻衣の羞恥を煽りながらだ。

 でも、今日はこれ、と陸はじっくりと姿を眺めた。

 倒れないようにしっかり膝を掴んでいるおかげで、麻衣の上半身は隠されることはなく、踏ん張るために膝を開き、二人が繋がっている場所がハッキリと見える。

「麻衣、動いて?」

「……え?」

「麻衣が動いて? 俺のこと、気持ち良くして?」

 わざとらしいとは思ったが、出来る限り可愛くおねだりしてみた。

(上手くいくわけないだろうけどなー)

 あくまで希望であって、本気で嫌がれば無理強いするつもりはない。

 予想としては一喝されて玉砕、怒った麻衣を宥めてから、ベッドへ移動して仕切り直しというパターン。

 だから想像していなかったんだ。

「あ……っ、麻衣……っ」

 膝に力が掛かったと思ったら、麻衣の腰がうねり始めた。

 最初はぎこちなく前後に動いていた身体が、回転するように動いたと思ったら、麻衣の様子が少し違うことに気が付いた。


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