『-one-』
一人より二人 P10
指がこんなに気持ち良いのだから、もっと敏感な自身が気持ち良くないわけがない。
早く突き入れたいと疼く自身を我慢させ指を二本に増やして、熱く柔らかいのに締め付ける麻衣の内部を探った。
「あ……っ、う……んっ」
「指じゃ奥までは届かないけど、麻衣の好きな場所は奥じゃなくて……ここ、だよね」
指で丹念に解された内部を探り、隠された一点を指で押す。
「ああっん」
ビクリと身体を震わせて声を上げた麻衣に、自然と口元に笑みが浮かび、指先に力を集中させた。
「やっ、だめだめぇっ」
まるで陸に上がった魚のように身体を跳ねさせる麻衣、片手で麻衣の腰を押さえつけてもまだ腰を跳ねさせる。
目の前でくねくねと動く麻衣の腰は、とても淫らで誘っているようにしか見えなかった。
「麻衣も、俺の触ってよ」
喘ぎっぱなしの麻衣にわざと自身を突き出した。
「んぅ……ふ……っ」
しがみつくように握られて、先端の敏感な部分に熱い舌が絡みつく。
(はあ……っ、すげえ……)
背筋をゾクゾクと這い上がるような快感に、自然と腰が揺れてしまう。
麻衣の唇が滲み出る体液を啜る音に、見えていなくても光景が頭に浮かび、さらに激しい愛撫を求めて腰を突き出す。
「んぐっ!!」
苦しそうな声を上げたと思ったら、くすぐるように絡みついていた舌が、強く先端を押し返して柔らかい唇に強く締め付けられた。
「……クッ」
強い射精感をどうにかやり過ごしたけれど、苦しげな声を上げた麻衣の口の動きが緩まることはなかった。
先に達することは男の沽券に関わる、何としてでも先に麻衣を達かせたい。
指先に神経を集中させ、麻衣が泣き声にも似た声を上げても緩めず、動かす指が奏でる水音が大きくなってきた時だった。
「だ、だ……だめぇっ!!」
悩ましげに腰を揺らしていた麻衣が、身体を強張らせて中に埋めたままの指を強く締め付けた。
(うぉ……っ)
達成感が訪れるより早く、顔にビシャビシャと淫水が降りかかった。
「って、麻衣……ッ、強く握りすぎっ!!」
達したはずの麻衣の手に強く握られて、情けないほど呆気なく達してしまった。
「う、ああ……っ」
三週間分の欲が一気に爆ぜて、何度も何度も麻衣の顔めがけて放出された。
(すげぇ、気持ちいい……)
本当なら麻衣の中で果てる予定だったけれど、これはこれで悪くないと脱力していると、ぐったりしていた麻衣が俺の上から慌てて下りてしまった。
「り、陸ッ!!」
一大事とばかりの慌てた声に一体どうしたのかと顔を上げると、何とも扇情的な姿に似合わず麻衣はオロオロとしていた。
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