『-one-』
好きだから空回り P10
麻衣はムカムカしていた。
昨夜は抱き合う陸の姿が頭から離れずに一睡も出来なかった。
(仕事とはいえ…あんなの、あんなのー!)
ましてや陸本人が選ぶのならどうして自分を選ばなかったのかと不満が募る。
あれを見た時はあんなにショックだったはずなのにだんだんと怒りが芽生えてくる。
もとはといえば誕生日を教えてくれない陸が悪いと心の中で攻める。
店に誘ったのもあんなのを見せるためじゃないかとさえ思えてくる。
(あームカツクッ!!)
絶対に反省させてやるっ!
麻衣は仕事に向かう電車の中で独り奮起した。
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