『-one-』

一人より二人 P8


(これは……)

 麻衣の口の動きにされるがままの陸は、最初に感じた小さな違和感を確信に変えていた。

(間違いなくDVDで見たからだ)

 口での行為で一番大事なことは、プロにやってもらうならともかく、彼女にやってもらう場合は彼女が口でしてくれているということ。

 下手でも頑張ってしてくれたら嬉しいし、あまり上手すぎると、どこで覚えたのかと勘ぐりたくなる。

 男はなんて身勝手なんだろう、なんてまるで他人事のように考えていた陸だが、今の麻衣の舌の動きは玄人のそれに似ている。

 手で扱きながら、先端を舐めていた舌が、下から舐め上げていく。

 片方の手で三週間と三日分、たっぷり溜まっている袋を、これもまた絶妙な強さで揉まれている。

「麻衣……やばいって」

 陸はとうとう根を上げた。

 こんな簡単に果てるわけにもいかず、少しクールダウンさせようと、頭の中で説教ばかりする誠の顔を思い浮かべていたけれど、気が付けばその誠の顔も口の周りを妖しく濡らした麻衣の顔に変わっている。

「ああ……っ!」

 先端を強く吸われて、陸は身体を仰け反らせて声を上げた。

 詰めた息を吐き出しながら麻衣を見ると、何か言いたげな上目遣いの視線と目が合った。

(わざとだ! 絶対わざとだ!)

 ぎりぎりで堪えた陸は肩で息をしながら、反撃に出るために身体を起こした。

 白い背中を指で辿りながらゆっくりと下ろしていく。

 まだズボンに隠れたままの、丸い臀部を手の平で揉むと、咥えたままの麻衣が腰を揺らした。

「お尻、こっち向けて」

「や……っ」

「ダメ。ほら、早くこっち向けて」

 痛くない力加減で尻を叩くと、麻衣は鼻を鳴らしてから、もぞもぞと動き始めた。

 麻衣は絶対に認めないけれど、ウブそうに見えて実はすごくエッチだ。

 一度スイッチが入ってしまえば、よほどのことがない限り、ある程度の要求には応えてくれる。

 今も屹立から決して手を離さず、体勢を入れ替えているのが証拠だ。

 麻衣の足が顔を跨いだタイミングを逃さず、陸は麻衣のズボンを乱暴に剥ぎ取った。

 薄いラベンダー色の下着、その中心の色が変わっている部分に指を伸ばした。

「んぅっ」

「もうグチョグチョじゃん。どうするの、これ。もう穿けないよ?」

「んーぅ、ん!」

 指で押し込みながら擦ると、染みのような色の濃い部分はじわりと広がっていく。

 麻衣の舌の動きが緩慢になったのをいいことに、陸は揺れる麻衣の腰を掴んで最後の一枚を引き下ろし片足だけ抜いた。

 太ももの途中で絡みついた下着もいやらしいが、目の前に大きく広げられた麻衣の秘密の場所はその比じゃなかった。


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