『-one-』
3days P53
クラクラする……。
陸は麻衣の柔らかい太ももで挟まれた自分の頭を軽く振った、いつもより濃い麻衣の淫らな甘い香りに酔ってしまったように体が熱い。
「ごめ……俺、もう……」
まるでセックスを覚えたてのガキのように堪えられない自分に苛立ちながら陸は顔を上げるとベットリと濡れて光る唇を舌で舐めた。
濡れた瞳でそれを見つめる麻衣の喉がゆっくりと上下に動く。
獰猛な猛禽類や肉食獣のように獲物を狙い今にも食らおうとする陸、そして狙われた麻衣は……自らの意思でその体を捧げようと陸の体に手を伸ばした。
「んぅ……ふっ、ん……くちゅ……」
激しく抱き合う二人は噛み付くように深いキスを交わす。
見えない何か攻め立てられるように激しく舌を絡め吸い、飲み下せなかった唾液が顎へ伝うことも気にならなかった。
「はぁ……ぁっ……麻衣、もう……欲しい。全部ちょうだい……」
「きて……陸、私も……っ欲し、っ」
陸はさっきまで麻衣が座っていた場所に腰を下ろすと麻衣の体を自分の上に引き寄せた。
いつもはベッドの上でする抱き合うように体勢、不安定な場所に躊躇いを見せた麻衣に陸の手が強く引いた。
「早くっ……それとも後ろから突かれたいの? 立ったまま後ろから激しくされたいの?」
指が食い込むほど強く腕を引き寄せる陸の声は切羽詰ったように掠れた。
ギラギラと光る瞳に捉えられた麻衣の体が動く。
だが思うように体を跨ぐことの出来ない麻衣に焦れると陸は立ち上がり麻衣の膝裏に手を通して片足を持ち上げた。
「掴まって……ちゃんと支えるから」
「ん……」
少し柔らかくなった声に麻衣は素直に陸の首に手を回した。
小さく息を吐いた陸は少し腰を落とし、支えの必要のない自身で狙いを定めると一気に突き上げた。
「アァァッ!!」
「クッ!!」
最初から深く抉るように繋がった二人は同時に声を漏らした。
反り返った麻衣の体を支えた陸はそのままもう片方の足も持ち上げると慎重に縁に腰を下ろした。
「あぁっ……深っ……陸ぅっ!」
「熱い、麻衣っ……すげぇ熱くて……ヌルヌルして、俺っ……」
何度も味わっているはずの麻衣の体なのに、これが初めてだと思わせるほどのきつい締め付け。
麻衣がいつもより感じているのか最初から襞という襞が熱い塊を包み蠢きながらさらに奥へと誘い込まれているように感じた。
陸は麻衣の息が落ち着くのを待ってゆっくりと腰を動かした。
本当なら性急に突き上げてしまいたい、でもそんなことをしたら麻衣よりも先に自分が達してしまいそうで出来なかった。
(これ一回きりってわけじゃ……ないんだからっ……)
一回くらい自分が先に達してもすぐに回復して続けて麻衣を攻めればいい、それなら長く麻衣を攻めていられると分かっていてもしなかった。
出来れば一緒がいい、それが無理でも麻衣が達したらすぐに放って二人で余韻を感じたかった。
「陸、陸っ……ねっ、……っ」
「ん……っ、麻衣?」
しがみ付いていた麻衣が体を少し離して顔を覗きこんだ。
いつものピンク色の唇は熟れたように色付き熱い吐息を漏らしたかと思うと掴まっていた手で陸の頬を挟みこんだ。
「もっと……激しくしていいっ……よ」
腰を揺らしていただけの陸は全身がドクンッと脈打つのを感じた。
「あぁっん! おっきく……なった、っ」
「なるよ! なるに決まってんでしょ! なんでそんなエッチなの! もう……どうなってもしんないよ、俺これ以上麻衣に優しくなんてしてあげられないっ!」
「いいっ……よ」
こんな風に求められるとは思わず、陸の理性は一瞬で飛んだ。
立ち上がった陸はそのまま麻衣の体を壁に押し付けると乱暴に唇を奪い腰を突き上げる。
「あぁっ、あぁっ! いいっ!」
「やらしい声ばっか出して! そんなに気持ちいいの? こっちもこんなに硬くしてさっ」
陸は顔の近くで揺れる柔らかい胸を掴み、硬く尖った蕾を指で摘まみ上げた。
「いいっ! あぁっ、っっ」
「ウッ……ッ、ふっ……そんな締め付けてっ、やらし……ほんとやらしいのに……めちゃめちゃ可愛いっ、麻衣!」
陸は麻衣の名前を何度も何度も呼びながら激しく動き二人の体を絶頂へと導いた。
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