『-one-』
アツアツサマー P17
冷房の効いた車内で二人の肌は汗でシットリと濡れていた。
上半身は服を着たままでしっかりとお互いの背中に腕を回して熱い体を感じあった。
「あぁ…っ…すごいよ」
腰を引く度に搾り取られるような締め付けに言葉が漏れた。
もっとゆっくり麻衣の体を味わいと思っても自分の意思とは反対に体は性急な動きをする。
それに応える麻衣の体もまた高みを目指している。
「陸…いつもより…おっきぃ…」
「…っ!なんでそんな可愛いこと言うのっ?」
「だって…すごく気持ちいいの…」
「俺だって…麻衣の中熱くて締め付けてすっげぇ…気持ちいい」
二人はここが車内だという事も忘れて快感に掠れた声で言葉を交わす。
唇が触れて息が交わるほど顔を近付けて愛を囁きあう。
それはいつもベッドで交わすよりも甘く深く体の芯まで蕩け溶け出して二人の体が一つになりそうだった。
「麻衣…麻衣、麻衣っ…」
腰の動きが大きく早くなり掠れた声で名前を呼ぶ。
キツイ締め付けに持っていかれそうになるのを堪えながら陸は麻衣を攻め立てる。
「あ、あぁっ…陸…も、もぅっ!」
覆い被さる陸の体にしがみつき足を腰に巻きつけながら体を揺らす。
陸は頬や髪を撫でていた手で肩を掴み揺れる麻衣の体を引き寄せて腰を強く打ちつけた。
二人の息遣いよりも体のぶつかる音が大きく響き車体がそれに合わせて揺れた。
辺りが街灯のない暗闇だったからいいがその不自然な揺れは明らかに中で行われている事が想像出来た。
「イクよっ…うぅっ!」
もう限界に来ていた陸は少し乱暴に麻衣の体を揺さぶりながら奥へ奥へと腰を押し付けた。
何度か強く打ち付けて麻衣が絶頂に体を震わせるとその刺激で陸もギリギリまで我慢していた欲望の証を吐き出した。
「あ…あぁ…」
放出する気持ち良さに上擦った声が漏れた。
二人は息が整うまでそのまま離れられずにいた。
麻衣を抱きしめるように突っ伏していた陸が起き上がった頃には二人ともすっかり汗が引いていた。
体を起こした陸が自分の体を清め麻衣の体を清めていると急にクスクス笑い始めた。
「どうしたの?」
「ん?いやぁ…車の中のティッシュの使い道ってこれくらいしかないよなぁって」
「違うでしょ!」
「えぇ?でもこれが一番実用的じゃん」
さっきの甘い愛の営みの余韻はどこへやら二人は服を整えながらあれこれとティッシュの使い道について言葉を交わした。
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