『-one-』

アツアツサマー P15


 陸の腕枕で麻衣は横になった。

「眠れそう?」

「無理かも」

「やっぱり車のシートは硬いからかな」

 麻衣はシートを叩いて感触を確かめた。

 ひざ掛けにしていてバスタオルがある事を思い出した麻衣はコンソールボックスの上のタオルに手を伸ばした。

 けれどバスタオルを掴んだ瞬間麻衣の体は抱きすくめられた。

「り、陸っ?」

「昼間も…昨日の夜も…おあずけだったんだよ?」

 抱きしめていた手はTシャツの下へ潜りこみ昼間よりも素早く背中のホックを外した。

 麻衣が抵抗するよりも早く片手でTシャツとブラを押しあげると薄く色づいた部分を舌で舐めた。

 舌先は硬くなり始めた中心に触れることのないまま何度も何度も円を描いた。

 抵抗しようとしていた麻衣の手はただTシャツを掴んでいる。

「だっ…めぇ…」

「だめって言うのナシだよ。麻衣も気持ちいいでしょ?」

 陸の声は興奮で上擦っていた。

 ツンと硬く尖った先端を舌先で突付く。

「やぁ…っ…」

 甘えた声で抵抗を口にしながら麻衣の手は陸の頭を抱き寄せていた。

 陸は上目遣いで麻衣の表情を覗き見た。

 半開きの唇はいつもより色っぽく快感に耐えているのか目を閉じてわずかだが眉間に皺を寄せている。

「こうされるのとどっちが気持ちいい?」

 尖らせた舌先が先端を突付いていたかと思うと唇でキュッと挟まれたまま擦り合わせた。

「んんっ…いぃ…」

 気持ちよさに麻衣は素直な感情を口にした。

 昂ってきた麻衣を確認しながら陸の手はズボンに手を掛けると片手で器用に脱がし始めた。

「こんなところじゃ…だめぇ…」

「大丈夫。誰も見てないよ」

「あぁ…んっ…だけど」

 まだ快感よりも理性が勝っている麻衣は陸の手を押さえつけた。

 けれどその手には陸の動きを止めるほどの力は入っておらずただ手を重ねてるだけに過ぎない。

「それに…もう我慢出来ないんじゃない?」

「あっ…いやっ!」

 陸の手はスルッと麻衣の下着の中へと入り込んだ。

 指先が柔らかい肌の奥に埋め込まれるとクチュとかすかに音を立てた。

 陸は指先に熱いぬめりを感じると中指をさらに奥へと沈み込ませてクニクニと動かした。

「もうこんなに…濡れてるのに?」

 陸は耳たぶを口に含むとそのまま言葉を発した。

 それはまるで直接体の奥に言葉を流し込まれたかのように麻衣の体を侵食していった。

[*前] | [次#]


コメントを書く * しおりを挟む

[戻る]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -