『-one-』

アツアツサマー P13


「気持ち良いでしょ?」

 麻衣の耳元で囁きながら丸い膨らみに左手を食い込ませた。

 円を描くように動かすと押し返していた麻衣の手がギュッとTシャツを掴んだ。

「感じ始めてる…」
 
 意地悪く囁くとその証の硬くなり始めた先端を指先が掠めた。

 麻衣がんっと短い声を漏らすと陸は顔を傾けて耳たぶを口に含んだ。

 ピチャと濡れた音は麻衣の体を熱くさせた。

「陸ぅ…やぁっ…ん」

「そんな可愛い声で嫌って言われたらもっとしたくなる」

 さっきよりも硬さを増した先端を指の腹で転がした。

「陸、陸っ…」

「気持ちいい?」

 縋るように陸の名前を呼ぶ麻衣はこくこくと頷いた。

「麻衣、可愛い」

 唇が耳に触れたまま囁かれて息がかかると麻衣はくすぐったそうに顔を傾けて体を捩る。

 その仕草がさらに陸の欲望を煽るとは思っていない麻衣は追い討ちをかけるとも知らず陸の肩に頭を乗せて陸の首に舐めた。

 ゾクゾクと腰の辺りが疼くのを感じた陸は左手に力を込めた。

「足こっち。おいで…」

 陸は麻衣を誘導すると自分を跨らせ向かい合うように座らせた。

 顔を近づけると二人は唇を突き出してチュッと音を立ててキスをした。

「あっ…ん…だめっ」

 自由になった陸の両手はゆっくりと腰から脇腹を通り徐々に上へと上がって来る。

 肌に冷たい空気が触れるのを感じてTシャツがたくし上げられた事に気付いた麻衣は少し抵抗を見せた。

 陸を止めるように上から押さえつけている手には力が入っておらず陸の手はゆっくりと下着ごとTシャツを捲り上げた。

「あぁっ…」

 先端が外気に晒されてツンと上を向いていたものが震えた。

「膝立ちになって?」

「んぅっ…ふ…ぁ…」

 陸に言われた通り膝立ちになった麻衣はすぐに先端を口に含まれて喘ぎ声を上げた。

 背中を往復していた手が前に回り胸を持ち上げて中央に寄せた。

 柔らかい麻衣の胸は陸の手の中で思うままに形を変えられていく。

「あっ…ん…やぁっ…」

 チュッチュッとまるで赤ん坊が乳を吸うように吸い付く。

 強く吸われるたびに麻衣は体を揺らし声を上げて熱い吐息を吐き出した。

「麻衣、やらし…」

「陸がエッチな事するから…」

「いや?」

「ううん…もっと…」

 濡れた麻衣の瞳が妖しく光り陸を誘った。

 二人は熱くなった体の熱を放出させようと求めるままに抱き合い唇を重ねた。

 最初から深く重なり合うキスを交わしていると突然強く窓を叩く音に二人はハッと息を呑んだ。

「片付けサボったら来月の休みナシにするってオーナーが言ってますよー」

 その声は悠斗のものだった。

 二人はしばらく体を強張らせていたが目を合わせると言葉を交わさなくても気持ちは通じあった。

 麻衣が服を整えていると陸はシートにもたれて大きく溜め息をついた。 

 そして昂った体を発散させるために陸が川岸で暴れたのは言うまでもない。

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