『-one-』

SWEETNESS P37


「エッチなのは俺だけ?」

 わざと意地悪な質問をした。

 困った顔をする麻衣を見ているだけでも楽しい。

「どうして抜かなかったの?」

「それは…陸が…寝てたか…ら」

 苦しい言い訳に言葉に詰まっている。

 陸は徐々に自信を取り戻してきた。

「ほんとに?俺だけしか居ないから恥ずかしくないでしょ?」

「もっと…したくて」

「足りなかったの?」

 意地悪するつもりはないけれど可愛い反応が見たい。

 案の定麻衣は困ったような照れたような表情を浮かべる。

「違うの。陸とするのはなんかすっごくやらしくて…すっごく優しくて…すごく嬉しい」

「嬉しい?」

「うん。あ、愛されてるような気がする…」

 素面だったらとても言ってくれないようなセリフが飛び出した。

 思わず口元が緩む。

「麻衣?それは違うよ?」

「違う?」

「愛されてるような、じゃなくて…麻衣は愛されてるんだよ。俺のすべてでね?」

 それは事実だった。

 陸は全身全霊をかけて麻衣を愛していると胸を張って言えた。

「だから陸のエッチは気持ちよくて嬉しくて終わった後幸せなのかな」

「そうだよ」

「こんなの初めてだから分かんなかったぁ」

「初めて?」

 麻衣は「うん」と頷きながら嬉しそうに胸に頬を寄せている。

(そっか…俺が初めてか…)

 そこまでこだわるつもりはないけれど初めてと言われるのはやっぱり嬉しかった。 

「りーーくーーぅ」

 腕を付いて体を起こした麻衣が腰をくねらせる。

 陸は麻衣の中で固さを取り戻してもう臨戦態勢になっている。


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