『-one-』

SWEETNESS P32


「あぁっ…イヤイヤァ…」

「舐められたことない?」

「ないない…そんなとこ初めて…いやぁ…」

 あまりに嫌がる麻衣にすぐに止めようと思っていたが気が変わった。

(初めて…なんだ)

 麻衣の初めてはすべて奪われていたと思っていたのに残されていることがあった。

 陸は愛撫を止めるどころからさらに激しくさせた。

「いやぁ…っ…ぁ…」

 舌で突いたり舐めたり繰り返すうちに麻衣の声が少し変わってきた。

 まだ口からは嫌という言葉が出るが声に熱を帯び始めてきた。

 陸は舌を差し込もうとグイグイ押し付ける。

 だが固く閉じている上に麻衣が体を強張らせているので舌は中へ入って行く気配はない。

 陸は自分の指を舐めて濡らすと固く閉じた蕾へと押し付けた。

「えっ…」

 周りを解すのもほどほどに陸は人差し指をゆっくりと押し込んだ。

 爪が半分くらい入った所で急に麻衣が暴れた。

「イヤァーーーーッ!!ヤダヤダヤダッ!」

 あまりに激しい抵抗に陸は慌てて指を抜くと麻衣の顔を覗き込む。

 両目から涙を溢れさせている。

「ごめっ、ごめん、ごめん…もうしない。もうしないから」

「ヒック…ック…」

 しゃくりあげながら泣く麻衣を膝の上に抱き上げると抱きしめた。

 麻衣が落ち着くまで背中を撫でながらただ抱きしめた。

「麻衣…ごめんね。俺が悪かったから許して?」

 擦って赤くなった目元の涙を吸いながら額や頬に何度もキスをする。

 今日はこのまま寝た方がいいとシャツを掴み麻衣の体にかけようとすると麻衣が顔を上げた。

 少し膨れっ面で口を尖らせている。

「ごめん」

 陸は真剣な表情で謝った。

 当分エッチ禁止もあるかもしれないと覚悟を決めた。

「お尻はだめっ」

(怒ってるよね?怒ってるんだけど…なんか…)

「ま、麻衣?」

「お尻はしたことないからだめっ!」

「………ん…分かった。もうしないからね」

 麻衣は潤んだ瞳でメッと人差し指を立てた。

 陸が抱きしめると麻衣は「うん」と返事して背中に手を回してきた。

(…またそんな煽るような事を…)

 したことないからこそ俺がしてみたい…とはさすがに言い出せなかった。

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