『-one-』

SWEETNESS P25


(もう…初めてとかどうでもいいや…)

 他にも聞きたい事があったはずなのに頭の中が少しずつ蕩け始めていた。

 麻衣の愛撫は感じさせてくれるのはもちろんだったがそれよりも陸は目の前の麻衣の姿に体を熱くさせた。

 四つんばいになっている麻衣はワイシャツが捲くれて水色の下着が顔を見せている。

 時々腰がくねるのがまた堪らなくいい。

(無自覚のエロさ…ってやつ?)

 女の体を武器に誘われた事はあるしそういうのも嫌いじゃないがさすがにこれには敵わない。

「麻衣ちゃん」

「んぅ〜?」

 呼びかけると少し鼻に掛かった甘えた声で顔を上げた。

 その仕草に陸はノックダウンされそうになる。

「ケーキ食べる?」

 陸はショートケーキの生クリームを指で掬った。

 指先に乗せたクリームを口元へ運ぶと麻衣は指をしゃぶるように咥えこんだ。

「んっ…」

 ぺちゃぺちゃと音を立てながら綺麗にクリームを舐め取っている。

 その姿はまるで子猫のように見える。

「麻衣、猫みたい。かーわいい」

 声を掛けると麻衣は顔を上げた。

 陸は子猫をあやす様に麻衣の顎の下を指で触ってやる。

 麻衣はくすぐったそうに目を伏せ時々甘えた声を出した。

(この際ひかれても構わない…)

 どうしても麻衣の口から言わせて見たくなった。

「猫ってどうやって鳴くっけ?」

「にゃぁ?」

(俺もう変態とか言われてもいい!)

 想像よりも遥かに可愛くてエロくて陸の心臓は一瞬で撃ち抜かれた。

「ケーキもっと食べる?」

 ドキドキしながら返事を待った。

 もちろん麻衣が期待に応えてくれるとは限らない。

「にゃん!」

 目眩がしたクラクラしながらもしかしたら鼻血が出ているんじゃないかとさえ思った。

 陸は思わずケーキを手で掴むとそのまま麻衣の口の前に差し出した。

 少し崩れたケーキに麻衣は顔を傾けて器用に食べ始めた。

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