『-one-』

SWEETNESS P17


 陸は足の間に横向きに座らせた。

 片膝を立てて麻衣をもたれさせながら肩を優しく抱いた。

「どうして下ばっかり見てるの?」

 ベッドに上がってから麻衣はずっと俯いている。

 理由はだいたい検討は付いていた。

「…恥ずかしいことさせるんだもん」

「そんなに恥ずかしかった?でもいつもエッチする時は全部見てるんだよ?」

「だって…」

 恥ずかしさが先行しているらしく俯いたままだ。

 陸は麻衣の髪に手を差し込むと耳に髪を掛けながら指を滑らせた。

 それでもまだ俯いたままの麻衣を見てワインクーラーに入れておいたスパークリングワインをグラスに注いだ。

 適温に冷やされて静かな部屋に泡の弾ける音がする。

「麻ー衣。顔上げて?顔見れないと俺寂しいじゃん」

 肩を抱いている手で麻衣の頬を突付いた。

 顔上げた麻衣は少し拗ねたような顔で上目遣いで見上げた。

(うわっ…反則だって)

 陸は視線を天井に移すと深呼吸してからワインを一口含む。

 少し冷えた液体が体の中を流れていく感覚で火照る体が少しだけクールダウンした。

 もう一口含むと今度は麻衣の顔を見つめる。

 麻衣の唇が開くのを見てから唇を重ねるとゆっくりと流し込んだ。

 こくっと喉が動き麻衣は陸を見上げた。

「美味しっ」

 ふふっと麻衣が笑うのを見て陸はグラスを渡した。

 両手で受け取ると麻衣はコクコクと喉へと流し込んでいった。

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