『-one-』

SWEETNESS P16


 ベッドヘッドにたてかけた背当てクッションに体を預けながら陸はジッと一点を見つめている。

 そこには服を脱ぐ麻衣の姿。

 上の服を脱いで上半身がブラだけになると麻衣は陸の顔を見た。

「ん…それも取って?」

 意を汲み取った陸は頷いて指示をする。

 麻衣は後ろ手でホックを外すと締め付けの緩んだブラを押さえながら肩紐を片腕ずつ抜いた。

 かろうじて胸を覆うブラを両手を交差させて押さえながらもう一度陸の顔を見る。

 さすがに恥ずかしいのか前屈みになっていて丸い二つの膨らみは今にも手から零れ落ちそうだ。

「どうしたの?」

 陸は分かっていたがわざと麻衣に聞いた。

 麻衣の視線は陸の膝の上に置かれたシャツに注がれている。

「着てもいい?」

「ちゃんと脱げたら俺が着せてあげるよ」

 にっこり笑って返した。

 アルコールのせいだけとは思えないほど潤ませた瞳を少し伏せると麻衣は片手でブラを押さえた。

 片手で器用にスカートのホックを外すとストンと床に落ちた。

 麻衣は「あっ」と小さく声を上げた。

 下半身はまだストッキングに包まれている事に脱いでから気付いたらしい。

 片手では脱ぎにくそうに時折上半身を大きく揺らす。

 その度に胸の膨らみの中央ほんのり色づいた部分が見え隠れする度に陸は喉を鳴らす。

(チラッと見えるってのは…エロいって…)

 自分で言い出したことなのに想像以上のやらしさに体を熱くさせながら頭の中では激しく後悔している。

 ストッキングを脱ぎ終えた麻衣はブラを押さえたままベッドにいる陸へと近づく。

「それは取らないの?」

 手で押さえているブラを指差した。

 指摘された麻衣はパッとブラを抜き取ると手で隠してトトトッと早足で駆け寄った。

 麻衣がベッドの横に立つと陸は体を起こしてシャツを手に取ると肩に羽織らせる。

「手通して?」

 陸の言葉に先に右手を袖に通した。

 そして少しためらった後左手を袖に通す。

 陸は障害のなくなった胸を少しの間眺めてから下から順番にボタンを留め始めた。

 上から三つ分ボタンを残して留め終えると麻衣をベッドへと引き寄せた。

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