『-one-』

男の責任!? P22


 この悪魔の誘惑にどうやって打ち勝てばいいんだよ。

 いつになく淫らに乱れる麻衣に陸の理性は限界まで来ていた。

「ねぇ…もっとォ」

 まるで悪魔の囁きだ。

 甘ったるい声のおねだりが体を熱くさせる。

「ダメだよ。激しくしたら赤ちゃんビックリするだろ」

 自分自身にも言い聞かせるように陸が呟いた。

 奥まで突かないようにと慎重に腰を動かしながら両手は麻衣の胸を愛撫している。

「…今、何て言った?」

 やけに硬い声で麻衣が聞き返した。

 陸が驚いて腰の動きを止めて胸からも手を離した。

「激しく突いたら赤ちゃんに良くないかと思って…違うの?」

「赤…ちゃん?」

 今度は麻衣が驚いた顔をして目をパチクリさせている。

 二人は見つめ合ったまま沈黙が続いた。

「赤ちゃんって…私のお腹にって事だよね?」

「麻衣以外に誰がいるの」

 もう一度確認するように尋ねた麻衣に陸は笑いながら愛しそうにお腹をさすった。

「ちょ、ちょっと待って?」

「え?やっぱりエッチはダメって事?」

 陸は慌てて体を離して抜き取った。

「えっ、あっ…違っ…えぇっ?」

 まだ硬さを残しているモノからゴムを外すと陸は麻衣の横に座った。

 だが麻衣は混乱しているのか両手で顔を押さえながらブツブツと何か言っている。

「どうしたの?大丈夫?」

「あのね落ち着いて聞いて欲しいんだけど…」

 真剣な表情の麻衣に陸が少し姿勢を正した。

 傍から見れば二人とも全裸でかなり滑稽な姿だけれど気にしてる余裕はなかった。

「私ね…妊娠してないから」

「えっ?」

 今度は陸が目をパチクリさせながら麻衣の顔を見ている。

「なんで妊娠って思ったの…?」

「えっ?あ…は?えぇっ??違うの??」

 何が何だか分からない陸が混乱したように頭をぐるぐるさせている。

「確かに生理は遅れてるんだけど…」

「えっ、だって妊娠検査薬、それに祝杯って…えぇーーーっ?」

 お互いに事実を認識すると再び沈黙になり微妙な空気が二人を包んだ。


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