『-one-』
猛アタック P3
意地悪しているつもりはなかったけれどすぐにメールをしなかった。
帰ってから寝てしまって気がついたら朝だった。
朝早くじゃまだ寝ているかもしれないと思うとメールするのをためらってしまう。
(こんなに気を使わなくてもいいのに…)
そんな風に思ったけれどやっぱり送れなかった。
その日は日曜日で麻衣は買い物に出掛けたがその時に現実を突きつけられた。
陸が高そうな外車を運転して助手席に綺麗な女性を乗せていた。
自分が乗った国産の四駆とは違う。
ピカピカのシルバーの高級セダン。
「あんな車も持ってるんだ…」
胸がチクッ痛んだ。
それが自分は国産の四駆で向こうが外車だったからなのか、それとも自分以外の女の人と一緒にいたからなのか…。
(やっぱりあの人も普通にホストだよね…)
これが現実だった。
相手はホストでしかも8歳年下で恋愛の対象として見ようとしていた自分が愚かだっただけ。
麻衣は自分を笑った。
(好きになる前で良かったんじゃない?)
ホストと真剣な恋をするなんてやっぱり普通は起こらない事なんだから…。
その日の夜麻衣はメールを送った。
【水曜日は忙しいので行けません。ごめんなさい】
何回もメールも電話も来たけど全部無視をした。
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