『-one-』
男の責任!? P4
その日仕事を終えた麻衣はどこにも寄り道もせず真っ直ぐ帰って来た。
部屋に入ってからも着替えもせず座り込んで手帳と睨めっこしている。
最後に生理が来たのは…手帳をめくって確認する。
何回見ても3ヶ月前だった。
手帳に書き忘れてるだけかも?
でもどれだけ思い出しても生理が来た記憶はなかった。
陸とゴタゴタがあったりしたせいですっかりそんな事は頭から消えていた。
徐々に動機が激しくなってくる。
陸がゴム着けずにエッチしたのって…。
「ありすぎて覚えてない…」
思わず声に出してうな垂れた。
つい許してしまう自分の意志の弱さを呪った。
今までは一週間くらいのズレはあってもだいたい同じ周期で来ていた。
それが今回は2ヶ月も来てない…。
当然麻衣の脳裏にはあの文字が浮かぶ。
「妊娠…」
ぼんやりとした麻衣が手帳を閉じて呟いた。
安全日に中出しとはいえ…100%安全じゃない事くらいは理解している。
いつ子供が出来てもおかしくなかった。
「赤…ちゃん…?」
もしかしたらここに陸と私の子がいるのかもしれない。
麻衣は自分の腹部に手を当てた。
どうしよう…陸は喜んでくれるのかな。
でもそしたら仕事とか…どうするんだろう。
最近は本当にホストの仕事に誇りを持って毎日取り組んでいるのが近くで見ていてひしひしと伝わってくる。
漠然とは考えていた事が急に現実の事になって麻衣は激しく動揺していた。
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