『-one-』
零れた想い P70
陸に見つめられた麻衣はそれだけで呼吸が速くなった。
それに合わせる様に麻衣の胸が上下するのを陸は眺めている。
ブラと肌の境を指の背で滑らせながら久し振りの麻衣の肌の感触を味わった。
こんなにもきめ細かくて白くて…そして柔らかい。
「陸…」
麻衣の胸に視線が釘付けになっていた陸は名前を呼ばれて顔を上げる。
目を潤ませ唇は少し開き何か言いたそうな表情の麻衣の視線とぶつかった。
ゴクッと陸の喉が鳴る。
実は久し振りに触れる麻衣の体を前にして緊張していた。
「陸…?」
もう一度名前を呼ばれると陸は微かに微笑んだ。
「麻衣の体に触れるのが久し振りで緊張してんの…俺、男のくせに情けないよね」
麻衣は手を伸ばすと陸の頬に触れた。
そこから陸の体が微かに震えている事が伝わってくる。
「私も同じだよ…ね?」
頬に触れている手が微かに震えているのを感じると陸はその手を自分の頬に押し付けるように自分の手を重ねた。
「初めて麻衣を抱いた時より緊張する」
「えっ?緊張してたの?」
「当たり前でしょ。嫌がられたらとか下手って思われたら…とか考えちゃうの!」
「だって…すっごい慣れてたから」
「格好悪いトコ見せたくないでしょ?」
陸は重ねた手を頬から離すとそのまま手の平に何度もキスをする。
「でも今はありのままの俺を見て欲しいから…」
「陸………んッ」
麻衣のうっとりした瞳を見つめながら陸は舌で麻衣の指の間をくすぐるように舐めた。
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