『-one-』
零れた想い P69
真っ赤になった麻衣につられて陸の顔も赤くなり手の甲で口元を押さえて上を向いた。
もー!何この天然!
誰が年上だよ…こんな反応するくせに。
「やっべぇ…すげぇ可愛い」
赤い顔を両手で覆う麻衣を見てうわ言のように呟く。
でも…可愛すぎるのも問題だ…。
「安心して後にも先にもこんなに夢中になった相手は麻衣だけだよ」
麻衣が嬉しそうな顔で頷くのを見ると陸は申し訳なさそうな顔をした。
可愛すぎるのは本当に問題だよ?
もう…ここに閉じ込めて誰の目に触れさせたくないとか思っちゃうだろ?
「朝には解放するつもりだったけど…昼まで無理かも、麻衣頑張ってね」
「何が?」
「何がって…明日の昼までここから出さないからね?」
満面の笑みの陸に恐怖を感じて麻衣は思わず視線を逸らした。
「じゃあ始めようか!」
「だからームードとかぁ、こんなのなんか違う…」
麻衣は不満そうな顔をして唇を尖らせてながら腕を胸の前でクロスさせて陸が触るのを防御している。
「麻衣は乙女だなぁ…」
麻衣の格好にクスクスと笑いながらゆっくりと麻衣の体の上に覆いかぶさった。
「麻衣手どけて?」
「もう!すぐにまたキャラが変わってるー!」
陸に耳元で囁かれた麻衣は今までの続きと思って陸を茶化したのに陸のスイッチはもう入っていた。
「麻衣?縛られたいの?」
あ…。
陸の淫らな視線に麻衣は魔法が掛かったように大人しく手を下ろした。
「いい子だね。可愛いよ」
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