『-one-』

ホストと車 P4


 陸は麻衣の腰が動かないようにしっかりと抱え直して動きを変えた。

 ゆっくりと回転させながら奥へ奥へと挿っていく。

「あぁ…はぁ…ん」

 先端が奥に突き当たるのを感じると奥に当たったままグリグリと回転させた。

「麻衣っ…分かる?奥気持ちいい?」

「ん、んっ…陸ぅ」

 鼻に掛かる甘い声を出す麻衣に陸は更に欲情した。

「よしよし明日はもっと気持ちよくしてあげるからね」

 陸は楽しそうに言うと激しく腰を動かし始めた。

「はぁっ…あぁ…麻衣、麻衣…」

「陸っ…んんっ……いいッ…」

 陸の動きに合わせて二人の繋がった部分から溢れ出した蜜が麻衣の足を伝っている。

「あぁっ、あ、あっ…麻衣…いくよっ」

 陸は最後に何度か強く腰を打ちつけて麻衣の中から抜き出した。

「はぁっ…うぅっ…」

 まだ快感で震えている麻衣の尻から太ももに白濁を吐き出した。

「んっ…」

 生暖かい物が肌にかけられたのを感じて麻衣は少し体を震わせた。

「麻衣…ごめん…汚しちゃった」

「ううん、大丈夫…。陸…それより時間」

「大丈夫。ちょっと待っててな?」

 陸は急いで部屋の中へ戻るとティッシュの箱を持ってくると麻衣の体を綺麗にした。

「明日はたくさんいかせてあげるから」

 ごめんねと言ってから上着を着て身だしなみを調えると麻衣にキスをして仕事に出掛けて行った。

 陸を見送ってから冷静になった頭で気がついたのは床や壁に飛び散ったさっきの跡。

「汚してごめん…ってこっちの方だったのかも」

 麻衣は小さくため息を吐きながら雑巾を取りに向った。

 部屋の掃除をしていた麻衣が寝室のクローゼットである物を見つけた。

「これって…」

 それはすぐに見つからないようにと隠してあるような場所で置いてあった。

「車のパンフレット…?」

 そこにあったのは名だたる各外車メーカーのパンフレット。

 テーブルの上に置いてあったのは国産メーカーのパンフレットでここに隠すように置かれた外車のパンフレット。

 ホストだもんね…。

 誠さんだって高そうな車乗ってるし、響くんや他の子もすごい車に乗ってるのに陸だけずっとあの車に乗ってて。

 そう言えば付き合う前に陸が外車を運転してる所を見かけた事があったんだよね。

「俺は自分の車にお客さんは乗せないから、あの時は向こうの車を運転しただけ」

 って言ってったっけ。

 客がどうしてもドライブに行きたいとごねる事があるらしいが陸は車を持っていないと公言していたらしい。

 外車とか乗りたいって思わないの?って聞いた時だって

「プライベートで乗る車は普通の方がいいし」

 って普通に答えてたけど…やっぱり外車に乗りたいって思ってたんだ。

 でも麻衣の貯金ではさすがに外車は買えそうにない。

 麻衣は深くため息を吐いて改めて自分が普通のOLで陸が人気のホストだという事を思い知らされた。

「陸には好きな車に乗って欲しいなぁ…」

 陸の事を思う麻衣の小さな願い。

「仕方がないけど…」

 少しの間何かを考えているような真剣な顔をしていたが何かを決めたような顔をして立ち上がると携帯に手を伸ばした。

「非常事態だし…ね」

 本当はそんな事したくないけれど…そんな思いを含んだような口振りだ。

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