『-one-』
子供なココロ大人なカラダ P2
少しの間無言のまま見つめ合っているとまだ睡眠が足りないと体が要求して来た。
瞼が重くなり意識が遠くの方へと連れていかれる。
「麻衣、麻衣…可愛い」
夢なのか現実なのか分からないふわふわとした感覚が体を襲う。
「あぁん…だめ、寝ないと…」
手がゆっくりと腰から脇腹を通って胸へと撫でている間熱い唇と舌は麻衣の首筋や鎖骨に何度もキスをする。
「ん…ゆっくり眠るといいよ」
優しい言葉とは裏腹に手も唇も容赦なく麻衣の体も頭も現実に引き戻そうとしている。
「あぁっ…んんーっ」
急に尖った胸の先端を強く唇で挟まれると体がビクンと揺れて目を開ける。
「陸ー!私寝たいんだけど…」
胸を好きなように触っていた手が下りて太ももを撫で膝の裏に手を入れると一気に麻衣の足を大きく開いて体を滑り込ませる。
「うんいいよ。俺が動くから。終わったら俺も寝るしー」
麻衣の足を抱えるように体の方に倒すと熱い息を吐きながら額や頬や鼻、唇に何度となくキスをする。
陸は愛撫もそこそこに狙いを定めるとググッと腰に力を入れた。
バッチーン!!
まだ街も動き始めていない静かな明け方。
その音は部屋の外まで響くんじゃないかと思う程だった。
「…なっ」
突然の出来事にさすがの陸も動きを止めて今叩かれた左頬に手をやって呆然と麻衣を見つめる。
「何時だと思ってるの!寝たいって言ってるでしょ!」
思いっきり叩いた麻衣の右手と叩かれた陸の左頬がジンジンしている。
「ま、麻衣…」
あまりの剣幕に陸は何て言っていいのか分からずとりあえず麻衣の体から離れて正座をした。
「そんなにエッチしてくる陸なんか大嫌い!」
「えっ…あ…」
麻衣は布団を首元まで引き上げると包まってもう一度寝る体勢を取ろうとする。
陸は手を伸ばして髪に触れた。
「もう!触らないで!」
そう言うと今度は頭の上まですっぽり布団を被ってしまった。
「ま、麻衣?ねぇ…」
小さくて弱々しい声が聞こえてくるけれど麻衣は聞こえないフリをしてギュッと目を瞑った。
だって陸がいけないんだよ。
私はこれから仕事なのにいっつもそういう事ばっかりして結局寝不足になるのは私なのに…。
「麻衣…ごめんね」
今にも泣き出しそうな震える声がして思わず許してしまいそうになる。
今ここで許してしまったらまた同じ事の繰り返しのような気がするし一緒に暮らしていてもやっぱり嫌な事は嫌って言った方がいいと思う。
色々と考えているうちにだんだんと夢の中へと引き戻されて行った。
それから暫くの間ベッドの上で正座をしていた陸も麻衣が何も答えない事に諦めたのかそっとベッドに潜り込んだ。
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