『-one-』
Happy New Year P2
AM9:50
陸は再び目を覚ますと今度は体を起こしてベッドから出た。
折角の休みだし先日プロポーズしたばかりの麻衣が来ているのだからやりたい事はもちろん…。
これからの展開を思い浮かべながら上機嫌で寝室を出た。
「麻衣ー!おっはよー」
いるはずのリビングに向って声を掛けたが返事がない。
だだっ広いリビングはガランとして人影が無い。
「台所か?」
覗きに行ったがそこにも姿が見えない。
部屋には自分一人しか居ない事を証明するかのように少しも物音が聞こえてこない。
「コンビニでも行ったか」
冷え切っている部屋を暖めよう暖房を入れた。
テレビの点けてソファに寝転んだ。
テレビでは正月恒例の番組がやっていてぼんやりと画面を眺めた。
陸は昨夜の事を思い出していた。
帰って来た時に当たり前のように麻衣が出迎えてくれた。
玄関を開けた時にパタパタと音を立てて麻衣が着てくれるのが気恥ずかしかった。
でもそれが当たり前の毎日になるのだと思うと自然と頬が緩む。
ピーピーピー
「ん…?」
電子音が聞こえて目が覚めた。
いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
ヒーターが二時間経ったことを告げていた。
点けっぱなしテレビを見るともうかなりの時間が経っていた。
[*前] | [次#]
コメントを書く * しおりを挟む
[戻る]