『-one-』
Happy New Year P1
今…何時だ?
手を伸ばして携帯で時間を確認する。
AM8:30
いつものように隣にいる麻衣を抱き寄せようと手を伸ばした。
カサカサ−
今度は寝返りを打って反対側に手を伸ばす。
カサカサ−
どれだけ手を伸ばしても麻衣の体に触れる事はなかった。
広いベッドには陸一人だけしかいない。
「もう起きたのか?相変わらず早起きだな」
少し自分勝手な言い分。
ホストという職業柄か起きるのは昼近い麻衣が起きる朝方に一度は目を開けるけれどそれも一瞬ですぐに夢の中へと引き戻される。
しかし昨夜は仕事は休み。
しかも…ベッドに入ったのはなんと22時前という陸にとっては考えられない時間帯。
というのには理由があった。
一昨日のカウントダウン&ニューイヤーパティで朝まで店で騒ぎその後はホスト全員で初詣へ出掛け人波にもみくちゃにされた。
そこで帰ろうとしたが捕獲されそのままカラオケへ連行。
そしてなぜかバッティングセンターへなだれ込んで動けば腹が減るということで今度は焼肉へ。
そんな感じで飲んで騒いで食べてで部屋に辿り着いたのは元旦の21時を過ぎた頃。
部屋に居た麻衣と会話をするのもやっとの陸は倒れるようにベッドに入ると眠ってしまった。
そして目が覚めたのは。
一月二日、AM8:30。
目が覚めても体を起こす気になれずにまた再び夢の世界へと戻って行った。
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