『-one-』

サンタが僕等の店にやってくる P6


 膝の上に麻衣を乗せて抱きしめると額と額をつきあわせた。

「こんな可愛いサンタ初めて見た」

「恥ずかしいんだよ?」

「恥ずかしがる麻衣も可愛い」

 チュッチュッと何度も唇を重ねた。

「今日と明日は俺の部屋に泊まるだろ?」

「うん」

 ツリーのライトの光しかない暗闇でお互いの体温や吐息を肌に感じたままゆっくりと時間が過ぎて行く。

「陸…」

「ん?」

「ねぇ…」

「なぁに?」

 囁くような声のやり取り。

「何してるの?」

 麻衣の声が冷たく響く。

「手持ち無沙汰なんだもん」

 さっきから陸の両手は麻衣のお尻をやわやわと撫でている。

「手持ち…って、早く手どけてよ」

「やだ」

「やだじゃないでしょ。どけないなら降りる」

 麻衣が降りようとすると陸はギュッと力を込めてお尻を掴んだ。

「ちょっとぉ!」

「エッチしないんでしょ?これぐらいダメ?」

 胸元に顔を埋めて甘えた声で囁かれて麻衣は上げた腰をまた下ろすと陸は嬉しそうに麻衣の胸元にキスをした。

「それ以上しちゃだめだよ?」

 子供に言うような口調で言いながら陸の頭に顔を寄せた。

 なんかさっきから…お尻を触るだけだって言うから許したのにこれじゃあ何だか…。

 触ってるっていうより揉んでる?

「ねぇ…陸?」

「どうした?」

「お、お尻の手なんだけど…ちょっと…おかしくない?」

「おかしい?」

「だって…なんかやらしい触り方してる」

 陸は麻衣の言葉にニヤリと笑いながら更に快感を引き出すような手の動きをした。

「あれぇ?それって感じてるって事?」

 陸は顔を上げて麻衣の顔を覗きこんだ。

 確信犯だ。

 麻衣は陸と目を合わせながらそう思った。

「か、感じてないですっ」

「じゃあ問題ないじゃん」

 陸は手の動きを止めずに麻衣の瞳を見つめたまま唇を重ねた。

 唇を重ねるだけのキスだけだって思ったのに…

 陸の舌は臆する事なく麻衣の唇を割り閉じている歯列を撫でた。

「んっ…り、陸っ」

 陸の体を押して唇を離した。

「ん?」

「そんなキスしないでって」

「キス…だけじゃん」

 麻衣が次の言葉を発しようと口を開けた瞬間に陸は再び唇を重ねるとすぐに舌を挿し入れた。

 あっという間に麻衣の舌を捕らえた。

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