『-one-』
カリスマホスト!? P4
あれから暫くの間は落ち着いていたけれどまた暴れ出しそうな気配…。
「ねぇ、陸は?」
お目当ての陸さんがなかなか来ないからご立腹の様子。
そりゃそうだよなぁ…。
酒は飲ましてもらえない。
その上指名したホストは来ないんじゃそりゃ機嫌も悪くなるってもんだよな。
「悠斗さん、やっぱり酒出した方がいいんじゃないっすか?」
麻衣さんに聞こえないように耳打ちをした。
悠斗さんは小さく首を振ってそれを否定して麻衣さんをなだめている。
そんなに酒を飲ましたらやばい人なのか?
それよりも陸さんは客が来るっていうのに一体どこへ行ったのかちっとも戻って来ない。
「陸さんに電話しましょうか?」
今の俺に出来る事なんて何もなくて思いついたことを悠斗さんに持ちかけるだけしか出来ない。
悠斗さんがこんなにも頑張ってるのに自分には何も出来ない事が悔しい。
「いやいいよ。ほら、もう来た…」
その言葉に入り口の方へ目をやると陸さんがのんびりとこっちに歩いてくるのが見えた。
悠斗さんがこんなに頑張ってるのに余裕の態度でさすがにムカッとした。
「お待たせ」
ようやく現れた陸さんに俺は立ち上がって席を譲った。
「あ!陸おっそーい!」
麻衣は陸さんの方を向いて頬を膨らませた。
陸さんは怒っている麻衣さんを見て少し笑ったように見えた。
悠斗さんはようやくホッと息を吐いて安心した顔をした。
「ありがとな。飯買ってきたから好きなの食えよ」
近くのすし屋の袋を陸さんが差し出とを悠斗さんは嬉しそうに受取った。
まさか寿司買いに行ってたのか?
客をほっといて?
「りーく!遅すぎぃ!」
「ごめんね?」
陸さんは笑って麻衣さんの頭に手を置きクシャッと撫でると額にキスをした。
え…?
あまりに突然の事でビックリした。
今までに一度も見た事がない接客パターンだった。
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