『-one-』

未来への約束 P4


 陸と約束した17日店に行くと珍しく陸は入り口で待っていた。

「お待ちしてました」

 陸のエスコートで席に案内される。

「今日はどうしたの?」

「たまにはこういうのもいいだろ?」

 すごくいいよ!

 なんか特別待遇って感じ!

「今日は麻衣の指名しか受けないよ」

「え?って事は…」

「今日、俺は麻衣のモノ」

 ホスト陸に低い声で囁かれてゾクゾクッとする。

 しかも陸以外のホストは誰も座りに来ない。

「ほ、他の人は…?」

「麻衣を独り占めしてもいいだろ?」

「な、なんか照れる…」

「きゃぁっ…!」

 急に店内が暗くなった。

「り、陸?」

 突然音楽が鳴り始めるとみんなが歌い始めた。

「ハッピバースディ…」

 奥からロウソクが立っている大きなケーキが運ばれて来て私達の前で止まった。

「ハッピバースデーディア麻衣ちゃーん…」

「麻衣、吹き消して」

 隣にいる陸に声を掛けられて一気に吹き消すと照明が一斉に点いた。

「おめでとぉー!」

 シャンパンを開ける音やクラッカーの音が店内に鳴り響いた。

 店内を見回すとホストもスタッフもお客さんもみんながお祝いしてくれている。

(うそぉ…すっごい感動…)

「ありがとぉ、陸…」

 嬉しくって涙が出そうになる。

「俺からのプレゼントは…」

 後ろから抱えきれない程大きなピンクのバラの花束を差し出した。

「え?ほんとに?」

「お誕生日おめでとう」

 受取った瞬間我慢していた涙が頬を伝った。

 その後はケーキをみんなで分けてみんなが盛り上がってる頃私と陸は一緒にお店を出た。


[*前] | [次#]


コメントを書く * しおりを挟む

[戻る]
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -