『-one-』

お見合い!? P5


 そしてお見合い当日

 俺の席は麻衣が見える位置。

 当然麻衣からも見える位置でさっきから俺の方を見て睨みつけている。

 ブブブ…

 携帯を取り出してメールを開いた。

【あんまりこっち見ないで。なんでそんな格好してるの?陸の方がお見合いみたい】

 当たり前だ。俺の方がかっこいいって思い知らせてやる!

 だからわざわざ見える位置に座ってるのに何で分からないかなぁ。

 ブブブ…次のメールが届いて開く。

【周りの女の子みんな見てる。かっこよすぎてムカツク!】

 メールの内容に笑って麻衣の方を見た。

 本当に頬を膨らませて怒っていた。

 抱きしめたくなるほど可愛い!

 しかも今日はめちゃくちゃ可愛いワンピースを着ていて実は気合入ってるんじゃないの?と聞きたくなるくらいだ。

 それに俺より8歳も年上なんてあり得ないくらい童顔だよなぁ…。

 20歳って言っても…それは言いすぎだなと思わず自分に突っ込みをいれた。

 気が付くと麻衣が不思議そうな顔で俺を見ていた。

 投げキッスをしたら真っ赤になって俯いた。

(恥ずかしがる姿はやっぱり可愛い)

 これが済んだら久々にデートしよう。

 レストランで食事してバーで飲んでそのまま部屋を取って泊まるのも悪くないよなぁ。

(あ…アイツか…?)

 この後の予定を考えているとスーツ姿の長身の男が麻衣に近づいた。

 麻衣は慌てて立ち上がって頭を下げている。

(ゲッ!ブサイクとかじゃない)

 相手の男はかなりのイケメンでどうしてあんな奴が見合いするのか理解できない。

 男は麻衣の椅子を引き慣れた手つきで座らせてから自分も席についた。

(こいつ…女慣れしてんな)

 そんな事よりも麻衣が頬を染めている方が気になった。

 さっきまでのこの後の予定は全部キャンセルで今日は俺の部屋直行決定になった。


≪見合い実況中継≫

 申し訳なさそうな顔で麻衣が頭下げて断っている。

 しかし相手は諦めていないのか名刺を渡す。

 名刺を見て驚く麻衣は返そうとする。

 男がそれを押し戻す。

 男が笑顔で何かを言うと困った顔をした麻衣。

 二人は言葉を交わすと立ち上がり男はその場を立ち去った。

 麻衣は力なく椅子に座ると困り果てた顔で陸を見た。


(おいおい、今度は何だよ…)


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