『-one-』
お見合い!? P2
「来いよ」
陸に腕を掴まれて寝室まで引き摺られた。
乱暴にベッドの上に放り投げられた。
「り、陸…?」
「おまえが俺の女だって分からせてやるよ」
(嫌っ…怖い!)
いつもの陸とは思えない表情をしている。
「陸やだ…やめてよ」
「んっ!んーーーっ!ん!」
陸が馬乗りになって噛み付くようにキスをする。
「んっ…ぷはっ…俺の事好きなんだろ?だったら大人しくしろっ!」
い、嫌っ!!
両腕を押さえられて下着を一気に下ろされた。
「こんなのいつも陸じゃないよぉ!止めてよぉ!」
「うるせぇよ」
「ンーーーーッ!」
陸は今脱がしたばかりの下着を口の中に突っ込んだ。
喉の方まで突っ込まれて息苦しい上に吐きそうになった。
ズズッ−
「ンゥ!?」
濡れてもいないところに無理矢理入って来た。
「んー!んんーっ!!」
あまりの痛さに体が引き裂かれそうで体を捩った。
無理矢理動かすたびにすごく痛いのに陸は構わずどんどん中に入ろうとしてくる。
(陸、陸…こんなのひどい…)
麻衣のギュッと閉じた瞼の間から涙が溢れ出た。
ボタッ−
顔の上に何か落ちてきた。
(なに?)
目を開けると陸が唇を噛みしめて涙を流している。
(陸…?泣いてるの?)
驚いて抵抗するのを止めると陸は私の手を離して動かなくなった。
自由になった手で口に入れられた下着を取り出して陸の頬を伝っている涙を指で拭ってあげる。
「ごめんね。陸の気持ちに甘えてたね…」
陸なら許してくれるなんて…私がバカだったんだよね。
逆の立場ならきっとすごく辛い。
陸は私の体から下りるとビクッとしてそのまま下を向いて体を震わせている。
「陸?どうしたの?」
様子のおかしい陸に近寄った。
陸の股間に血が付いていた。
自分がいたシーツにも赤い染みが出来ている。
「お、俺…」
陸は喉の奥から搾り出すような声を出した。
「麻衣を傷つけた…」
「だ、大丈夫だから…私は平気だから…」
「大丈夫じゃねーよ!誰よりも大事なのに…それなのに…俺が傷つけてどーすんだよ!」
拳を握り締めてベッドに叩きつけた。
「私がいけなかったの、だから…」
お見合いを断りきれなかった私が悪い。
「陸!?何やってるの!!」
陸が唇から血を流している。
食いしばった歯が唇に食い込んでいる。
「そんな事しちゃだめっ!陸!」
慌ててティッシュで血を押さえようとすると辛そうな顔をして顔を背けた。
「俺…最低…麻衣傷つけて」
違う…陸が悪いんじゃないのに。
涙をボロボロと流して体を震わせている陸を抱きしめようとすると手を振り払われる。
「ごめん、本当にごめん、俺麻衣の側にいる資格ない…」
離れようとする陸の腕を掴んだ。
「離せよっ!」
「やだっ!絶対に離さない!」
「離せよっ!俺といるよりも見合いした方が幸せになれるだろっ!」
私はもう片方の手も掴んで無理矢理こっちを向かせた。
バカな事言わないで…。
「じゃあ、陸は誰が幸せにしてくれるの!?」
驚いた顔で私を見た。
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