『-one-』

お兄ちゃんとご対面 P7


「どうぞ…」

「いい部屋だね」

 麻衣のお兄さんを部屋に招いたのはいいけど二人きりになるとかなり緊張する。

 やっぱり麻衣連れて来た方が良かったな。

「麻衣と付き合ってどのくらい?」

「まだ四ヶ月くらいです。」

「どこで知り合った?」

「最初は店の客で来てて…」

 まるで尋問みたいだ…。

「どっちが口説いたの?」

「あ、俺が…」

 緊張して喉がカラカラで手にもすごい汗を掻いていた。

「で、さっきの話の流れだと真剣に付き合ってるの?」

「は、はい。結婚したいと思ってます」

 結婚って言葉でお兄さんがジッと俺の顔を見た来た。

 やっぱり俺がホストだから許して貰えないのかもしれないけど俺だって引き下がれない。

 麻衣の事は諦めたくないんだ。

 目を逸らさずにお兄さんの目を真っ直ぐ見ていると真剣な顔だったお兄さんが笑って肩をポンポンと叩いた。

「いい目だね。気に入ったよ」

 はーーっ、良かったぁ…。

 陸は安堵のため息を吐いた。

 てっきり反対されるかと思っていたのにとりあえずお兄さんに気に入って貰えただけでも十分だった。

「陸…」

「お、お兄さん…?」

 樹が陸ににじり寄る。

 話す度に息が陸の耳に掛かった。

「お兄さんは水臭いから樹でいーよ」

「あ、あの樹さん?近くないですか?」

 さっきよりも体がぴったりと寄り添ったと思ったら手が体の上に置かれた。

「なんか運動してた?」

「い、いえ特に何も…」

「そぉ?その割にはいい体だな」

 胸から腹にかけてスーッと撫でる手の動きが何だかやらしい。

「あ、あの…」

 その手から逃げる様に思わず後ずさりする…。

 ちょ、ちょっとやばくないか?

「大丈夫、怖くないよ…きっと麻衣よりいいよ?」

「う、うわぁっ!」

 ドサッと床に押し倒されてすごい力で上から押さえつけられた。

 え、お、おい…ちょっと待って?

 これって…何?

 何で俺、樹さんの下に組み敷かれてるの?

 バァァン!!

 勢いよくドアが開いて麻衣が息を切らして入って来た。

「お兄ちゃーん!!!」


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