『-one-』

お兄ちゃんとご対面 P2


『CLUB ONE』

「麻衣のお兄さん?」

「うん。アメリカに居るんだけど日本に帰って来てるらしいの」

 平日の店内は空いていて珍しく陸と二人きりの時間を過ごしている。

「へー、会ってみたいね」

「…会わなくていいよ」

 陸が急に不機嫌な顔になった。

「家族に会わせられないって事?」

 ちょ、ちょっと急にいつも陸にならないでよ。

 口を尖らせて怒った顔をして見せた。

「ち、違う…そういう意味じゃないから」

 いくらお店の子が知ってるって言ってもお客さんにバレたらどうするの?

 もう時々びっくりするような事するんだから。

「ね…今日はもう出よっか?」

 小声で囁いた。

「でも仕事まだこれからじゃん」

「今日は予約入ってないし今出ればOKじゃん」

 陸がホストの顔をして髪を触りながら甘えた声で囁いた。

「麻衣の部屋にお泊りしたい…」

「あ…ごめん…私今アレだし…」

「アレって?」

「だから…ほら女の子の月一の…」

 恥ずかしくてはっきり言えなくてブツブツ言いながら下を向いた。

 陸は私の言いたい事が分かったらしく小さな声で「あぁ…アレね」と呟いた。

「だから…今日は…」

 急に携帯を取り出すと慣れた手つきで親指を動かし始めた。

 パタンと携帯を閉じると今度は私のバッグから携帯を取り出した。

 私の手の平の上に乗せるとちょうどブルブルと震えた。

 メール?

 早く見るように催促してきた。

【俺がエッチする為だけに麻衣といると思ってるの?そういうの傷つくよ】

 陸らしいストレートな気持ちの表現に嬉しくなった。

 その後二人で部屋へ向かった後まさかあんな事があったとは…


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