『-one-』
お兄ちゃんとご対面 P1
「麻衣?たまには家に帰って来なさいよー」
「んー分かったよー」
珍しくお母ちゃんから電話が掛かってきた。
「彼氏を見張るのに忙しい?」
「見張らなくても大丈夫ですっ!」
陸の事は付き合って暫くしてからちゃんと話をした、
もちろん陸がホストだっていう事も。
「竜ちゃんみたいに一途なら全然心配いらないけど?」
フンッと鼻で笑われた。
この母親…娘と張り合ってどうすんのよ…。
「はいはい、分かりましたー」
「麻衣?一度連れてらっしゃいよ!お母さんが審査してあげる」
審査って…すごく嫌な予感がするんですけど…。
「そういえば…用事何だったの?」
「あ!そうそう!お兄ちゃんが日本に帰って来るって」
「へ?いつ?」
「今日着くって言ってたけど?」
いつも突然帰って来るなぁ〜。
もう何年会ってないっけ…三年くらいかな?
「麻衣、気を付けてね〜。彼氏見張っておきなさいよ?」
「ちょ、ちょっと…お兄ちゃん知って…」
プツッ…ツーツー
そういう言葉残して切らないでくれる?
二歳上のお兄ちゃんはアメリカで仕事をしているんだけどこれが少し変わり者。
電話を切った後も胸騒ぎは収まらなかった。
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