『君の隣』
 第二章 P15


 今日の朝は一人で登校。

 貴俊は月に一度ある生徒会の朝の仕事で1時間も早く先に家を出たはず。

 昨日の今日だからちょっと顔合わせづらかったから助かったかも。

 "最後までしような?"

 昨日の貴俊の言葉が耳から離れなかった。

 最後までって事は当然…アレをアソコに入れるって事だよな?

 それってやっぱりあれか?

 貴俊のアレが俺のアソコに……。

 祐二は思わず手を後ろに持っていく。

 あんなデカいの無理だろっ…絶対入るわけねーって!!

 想像しただけでパニック起こしそうになって寝不足でぼーっとする頭をブンブン振った。

「祐〜!おっはよー!」

「う、うっす、日和!」

 急に横に並んだ日和に驚いた。

「今日は一人だね?彼氏居なくて寂しーい?」



 アイドル顔の日和が祐二の顔を覗きながらニコニコ笑った。

 彼氏とかでかい声で言うんじゃねーっての!

「べ、別に寂しくなんかねーよっ!」

「そっ?あんなに彼氏さんはモテモテなのにねー?」

 日和が指差した方を見て祐二が立ち止まる。

 校門に立った生徒会役員の面々を取り囲むような人だかり。

 生徒会役員=人気投票で選ばれたと言っても過言ではない。

 右側には副会長で2年の越谷珠美を囲むように出来た大きな男子の群れ、その奥には書記で3年の真山初音を囲む男子の群れ。

 その2人を守るように数人の事務局の生徒が護衛のように立っている。

「相変わらずアイドル並みの騒ぎだな…」

「それよりもこーっち!」

 うんざりしている祐二の服を引っ張って向けさせた左側は…右側とは比べ物にもならない騒ぎになって…いやある意味騒ぎになってないのか?

「ほんとまるでアイドルだよねぇ?」

 感心したように日和が呟くのも祐二の耳には届いていなかった。

 なんだあれ…。

「今日が初めての朝立ちだったしこんなもんじゃなーい?」

 能天気な日和の言葉が余計に癇に障った。

 ここは学校じゃないのか?

 誰もがそんな事を思わずにはいられないこの光景。

「ありえねぇだろ…」

 さすがに祐二も驚きが隠せない。

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